零から位置へ
残尿 楽園 新生 律動 摩耗 結実
まあそこそこの時が流れたころ、ひとりの男の子が産まれた。
親はさぞ喜んだという。第一子はなんとなく男がよかったらしい。
わたしは時々、自分が女であればと想像する。
箱庭の幻では多くの喜劇と悲劇が入り混じる。
靄が晴れるころには男がいいのではないかという暗い自己肯定に行き着くものだ。
近年、希望や激励が強く求められている。
心が動くことに飢えて、拠り所を作る。
はじめの拠り所は保護と安寧。
母胎から、血塗れの組織もろともサルみたいな肉塊が落っこちる。
存在の危険を察知すると、感情がもろに出る。
β endorphin が多量に流れ、β波が光線のように世界を占める。
失意の底から首の座らない頭をむりやり上へ向けてみる。
床を見つめてみた。なにもなさそうだった。
それは己の感性の薄さや人生の密度を映しているようだった。
保護に慣れたころ、無邪気さと好奇心が開拓を促す。
軽い挫折が欺瞞を表象させる。
光の種が蒔かれる。
ひとつの世界が分かれる。
世界の温度差、圧力差が離れていく。
善意と悪意で葛藤する。
どちらかを選ぶこととなる。
裏切る。
捨てられて、また欠落する。
奮い立つ刃先を誤る。
獲得しては振り回されてしまう。
死を通り過ぎて、復活する。
どれだけを積もうと生きる執念。
才能に誘惑される儚さ。
日々磨くも未だ弱き覚悟よ。
悟りは無差別に象形を仮死させる。
拡大する同胞の欲望は水の星を狂わせる。
花を時間で微分してみよう。
美しいと思っていますか?あるいは違うと思いますか?
→a.はい
b.いいえ
c.不明
aaどちらでもない。
ab.そもそも、感覚がない。
ac.常にどちらかであるとは限らない。
ba.答えを導く能力がない。
bb.思考は非言語の森から抜け出せない。
bc.かつては一方であると捉えていた。
ca.常にどちらの感想が共存している。
cb.それは他人が決めることだ。
cc.自然を決めつけで捉えるなど烏滸がましい。
aaa.近くで見つめてみると感想が逆になる。
aab.かつては一方であると思っていたがわからない。
aac.質問の内容を忘れた。
aba.それを説明する言語を持たない。
abb.不快な内容のため回答を拒否します。
abc.外の環境に依る。
aca.現実には反するが、もうひとつの方であると思う。
acb.どちらかであるべきとは思わない。
acc.評価をするには見聞が足りない。
baa.無作為に決めて構わない。
bab.天気による。
bac.できれば、片方であってほしい。
bba.色や形によって解は異なる。
bbb.存在時間による。
bbc.ある点を除いて違う解になる。
bca.鏡で見ることで逆になる。
bcb.最近、実は異なるのではないかと考えている。
bcc.枯れているならば、一方であると思う。
caa.それは前段階から決まっていて変わることはない。
cab.いつでも反転しうる脆弱性をもっている。
cac.親個体の評価に依る。
cba.どのような環境で生きてきたかに依る。
cbb.根の大きさが評価するうえで必要だ。
cbc.サイズに依る。
cca.生きている方がいい。
ccb.死んでいるほうが良い。
ccc.事実はどう在っても何かが存在している。
国宝になりたい。しかし、そのころに国はどうなっているのでしょう。
国と人、どちらが矮小でしょう。
権威に縋ること。IPOを目指すこと。誇示すること。語彙を衒うこと。
尤も、それらのすべては急接近する便意のまえには無力なのですが。