62話目
全63話です
明日(11/1)の第63話で本作「あゆみと瞳美」は完結になります。読んでくださって本当にありがとうございました!
続いて、同じく明日(11/1)にレイドライバーシリーズの続編である「レイドライバー 14 -旧アルゼンチン戦 後半-」を寄稿したいと思います
もしレイドライバー 1 から 13 をまだお読みになっていない方は、お手数ですがまずはそちらをお読みになってから次作をお読みくださいませ(次作は、前作からの続きものになります)
▼過去作はすべて作者ページからご覧になれます▼
https://mypage.syosetu.com/mypage/novellist/userid/2478453/
次話の前書きと後書きにもリンクを貼っておきます、もし引き続き読んでくださればとても嬉しいです!
一年経って、再びあたしたちはかかりつけのお医者さんを受診したんだ。
もちろん、もう一度チャレンジする為に、ね。
お医者さんは、
「よく考えましたか?」
と言ってきた。それに対する答えは二人で決めてきた。
「お願いします」
そうして二度目の人工授精が行われたんだ。
今度はちょっと工夫をしようって話になった。色々調べて、安定期まではちょっと休職しようって。瞳美には家で横になっていてもらおう、と。
そのお陰なのかどうかは分からないけど事は順調に推移した。無事に着床したし、その後のDNA検査でも特に異常は見られなかった。でもね、その順調さに甘んじているほど二人とも楽観的じゃあないんだ。
何と言ってもこれがラストチャンス。やれる事は全部やろうって。
家事全般はあたしがやって、とにかく瞳美には動かないようにって休んでもらうようにしたんだ。
幸いにもそれが効いたのか、経過観察は順調らしい。母子ともに順調だ、と言われたよ。
そうだ、いまのかかりつけ医はあたしが子供のころ家からお世話になっていたお医者さん、ではないんだ。一度流産を経験しているから、近い病院の方が良いだろうって、紹介状を書いてもらって。
そこはいわゆる町医者と呼ばれる一般開業医なんだけど、どうやら市民病院の救急で勤務していた人らしくて。蛇の道は蛇、お医者さん同士で情報が行き来してるんだろうね、そのお医者さんを紹介されたんだ。
人当たりのいい感じの先生で、あたしたちの事もちゃんと理解してくれた。
「向こうの先生から言われている通り、チャンスはここまでになります。ですから、私も全力を尽くしますので」
初めて会った時にそう言われたよ。そりゃあ、こちらも、
「よろしくお願いします」
って。
色々と注意点を聞いて、その通りに実行して。それが良かったのか、安定期までこぎつけたんだ。けど、お医者さんが言うには、
「安定期には入りましたが若干の発育の遅れが見られます。出来れば安静を保つようにしてください」
そう言われて、瞳美の会社にはあたしが出向いて説明したんだ。そしたら、
「瞳美さんの容体を第一に考えてください。復帰はもちろんしてほしいのですが、いつでも待っています」
そう真顔で言われたよ。瞳美ってば、パートタイムでも仕事をテキパキやっていたみたいで初めに[ちょっと休みが長くなるかも長引くかも]って切り出した時の[えっ]っていう顔をあたしは見逃さなかったよ。頼りにされてるんだな、って。
それでもゆっくりではあるものの順調に推移して、お医者さんも、
「ここまで来れば流産の心配はないでしょう」
って頃に少しだけパートタイムで戻ったんだ。
そして時は流れて四月。あたしは社会人四年目に入っていた。
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