表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/63

59話目

全63話です


今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です

 結婚生活も一年経った。それまでリアクションしなかったのには理由がある。それは[もしもパートナーとしてやって行けそうになかったら、その時は別れよう]ってあらかじめ話し合っていたんだ。確かに結婚したんだからもしも離婚、なんて事になったらバツイチになるんだけど、それは互いに承諾したうえで結婚というプロセスを踏んだんだ。


 そして一年が経過。


 もちろんその間ずっとニコニコという訳じゃあなかった。喧嘩もしたしふてくされたりもした。でもね、互いが互いに認め合ってるからなんだと思うけど、どちらともなく[さっきはゴメン]って言って謝ってた。そして謝ったあとはスキンシップを取るようにしてたんだ。


 その生活リズムが互いに身体になじんだんだろうね。


「次のステップに移ろう」


 という話になった。


 次のステップ、それは子供を授かるという事。もちろんそれについては散々と話をしたし意見を交わしたりもした。その焦点は[子供にどう説明するのか]って点。だけど、これには答えは出てないんだ。色々シミュレーションもしたけど、結局は当の子供の立場にならないと分からないから。


 そうだよね[お父さんは女の人なんですよ]と言われて[なるほど、そうですか]と言える子供が一体世の中に何人いるか。


 それでもあたしは子供が欲しい、って言った事がある。


 その時瞳美は、


「私も貴方の子が欲しいの」


 とも言われた。だったらうじうじ悩んでなくて正面からぶつかればいい、そう言う結論になったんだ。


 そして例のお医者さんに診察してもらう予約を取って隣の県にまた行く。


 そうだ、あたしの身体。あれから経過観察したんだけど、特に癌化の兆候はないらしく、正常に[女性]として行ってるみたい。


 だから、


「貴方が産んでもいいんですよ」


 そうお医者さんに言われた時は思わず、


「え、あたしが?」


 って言っちゃった。瞳美は、


「そうね、貴方が産んでもいいんだけど」


 おいおい、それじゃあ、とまで出掛かった言葉に、


「嘘。私が産むわ。それが筋だもの」


 と返って来た。そうか、その辺りは考えてるんだなって。


 その日のうちに検査して、大丈夫な事を確認して人工授精を行ったんだ。だからもちろん日程も瞳美の排卵日に合わせて受診したんだ。


 ひとしきり終わって、お医者さんが、


「着床が確認出来て、しばらく育ったらDNA検査をします。それまでは出来るだけ過度な事は避けてください」


 と言われた。つまり運動やお酒はダメよというやつである。


 元々瞳美はそんなにお酒を飲むというタイプではないんだ。と言ってもあたしもそんなに飲むわけじゃあない。それでも週に二度くらいは晩御飯の時に日本酒を呑む。


「じゃあ、あたしもお酒は止めよう」


 って。そうじゃあないと何かフェアじゃあないし。


 それからは慎重に事を進めたんだ。だから瞳美は敢えてパートタイム労働にした訳。その分の補填を四年間という時間を使ってしたんだよ。二人ともバイトして、生活費の余剰を稼いでいたんだ。


 そして事件はそんなある日に起きたんだ。


全63話です



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ