58話目
全63話です
今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
実は結婚式はしてないんだ。それは、ウチの場合はおじいちゃんたちが認めてないから、というのと瞳美の家もおじいちゃんたちは反対こそしなかったものの、いい顔されなかったんだって。で、どちらの家からともなく[結婚式は……]という話になって、あたしたちも別に挙式を望んでいた訳じゃあないから[それじゃあ写真だけでも]って流れになって。
まだ歳がいった世代には受け入れられないんだろうね。それは仕方のない事だと思う。自分たちと違う価値観が現れてそれを[認めろ]って言われてもハイそうですか、とはなりにくいんだろうなぁ。
だから写真だけ撮ろうって話で今日は来たんだけど、ここで問題発生。どちらがドレスを着るの? で、考えたのはあたしがスーツで良いんじゃあないかって意見。そう、この写真はあたしたちだけが持つものなんだけど、いずれは別の存在が目にするものでもあるんだ。だからあたしがスーツを着て瞳美がドレスを着て。
「じゃあ撮りますよ」
そうやって写真を撮って、着替えたら役所へと向かう。またまた問題発生。そう、容姿ですよ。女性が二人して婚姻届け持ってきたら[あ?]って事態になりかねない。だからあたしは車で待ってて、瞳美に出しに行って貰った。
しばらくして帰って来た時の瞳美が、
「お幸せにって言われたよ」
そう言ったときの笑顔がまた愛おしくて。ちょっと恥じらったその表情がまたいいんだな、これが。思わずキスしてしまう。
これでもう枷はなくなったよ。あとあるとしたら……いや、今はいいや。それより新居どうするって話になって。
「私の家に来てもらってもいいけど」
確かに広いですもんね。でもね、
「アパートでいい?」
その為に働いてるし、その為に学生時代から溜めてきたんだもん。
「もちろんよ」
その言葉と共に晴れて同棲生活が始まったんだ。初めはそりゃあ大変でしたよ。一泊お泊りに行った時とは全然違う、素の瞳美が見られるんだ。
初めてビックリしたのは寝る時かな。当たり前と言えばそうなるんだけどカツラは取って寝るんだ。だけどやっぱり落ち着かないんだろうね、ナイトハットを被って寝るの。で、一緒に寝てるんだけど、ちょっと寝相が……。気が付いたらあたしが布団から出て朝を迎える、なんてのもあった。
あとは寝言ね。結構言うんだよこれが。まあ、そんな事を言えはあたしだって、
「結構寝相悪いのね」
と言われたり。そう、お互い様なんだよって笑い合った。
女性同士というのもあるんだけど、気が付くと抱きしめ合っていたり、キスしてたりしてるかな。もうね、ベタベタですよって前にも言った記憶が。
プライベートの瞳美はデレてくれるんだ。それは女性らしいよってあたしも女性だけど。でも不思議に女性ではあるんだけど、あたしがリードする場面が多くなったかな。やっぱりもういない[ヤツ]のお陰なのかも知れない、とちょっと考えてみたり。
さて、順調に通過点をパスしていってるあたしたちの次なる通過点がそろそろ見えてくるのですよ。
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