表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/63

52話目

全63話です


今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です

 手術から一週間、退院の許可が出たので病院をあとにする。今度も瞳美が迎えに来てくれたんだ。


「帰りましょう」


 瞳美はそう言ってくれた。帰ろう、やっとその実感がわいたよ。


 そうだ、あれから診察もあって自分のお股を見たんだけど、まるで何もなかったかのようにそれは綺麗に縫合されてたよ。で、一応一通りの説明を受けた。ちゃんと女の機能は全部有してるんだって。だから、その、営みとかも出来るんだってさ。


 それをコソコソっと瞳美に耳元で話したら瞳美、真っ赤になってた。かわいいなぁ、もう。抱き着きたくなるのを必死にガマンガマンですよ。


 新幹線に乗って、在来線に乗り換えゆらゆらと揺られて自宅近くの駅まで帰って来た。


「おかえり」


 両親が迎えてくれたよ。瞳美と一緒に車で自宅まで戻る。


「じゃあ、私は」


 自宅に着いた時に瞳美が帰ろうとしたのを、


「今日は泊まっていったら? 貴方には色々迷惑かけちゃったし、寿司でも取りましょう」

 と、お母さんが。いいねぇ寿司。久しく食べてないもんなぁ。最初は家族水入らずのシチュエーションに遠慮してた瞳美も、お母さんの、


「貴方ももうじき家族でしょ?」


 という一言に、


「それじゃあ遠慮なく」


 って上がってくれた。


 それはそうと、あたしは今、モーレツにお風呂に入りたいのですよ。だって一週間お風呂無しですよ。最初に[一週間は入院してください]って言われた時も[お風呂どうしよう]って思ったくらいだし。


 流石に二人で入るのは両親の手前、引けるので別々に入った。


 そりゃあもう、幸せの極みですよ。でも湯舟には浸かれないんだ。傷口が開く可能性があるから一か月間はシャワーだって。でも五月で良かったよ。これが十二月とかだったらシャワーだけなんてとてもとても。


 やっと落ち着いたのもあるけど、バスルームで腰が抜けちゃったよ。ペタンっていい音したから[何事?]ってお母さんが来てくれたんだけどね。


「貴方もよく頑張ったわね」


 お母さんの表情に曇りは失くなっていた。今まではあたしの裸を見るとちょっとだけ物悲しそうに見えたその表情が、今は晴れやかに見える。それだけお母さんも背負ってたものがあったって事なんだと思う。


 それを言ったらお父さんも何か思うところはあるんだろうけど、いつもの微笑みを絶やさない。それは盾としての微笑みではないんだと思いたいけど、流石に[違う?]とは聞けず。


 瞳美もお風呂入ってもらって、ちょうど出前で頼んだお寿司が来たのですよ。


「お、す、し」


 あたしは目がキラキラですよ。そんなあたしを見て瞳美が笑う。おぉ、久しぶりに彼女の屈託のない笑顔見たぞ。


「瞳美ってば、やっぱり笑顔が似合うよ」


 そうやってあたしが言うと、


「あゆみもね。笑顔ってとても大切」


 その言葉を微笑んで見ているお父さん。ちょっと気が抜けたように見えるお母さん。あたしはそんな[家族]に囲まれて本当に幸せだよ。


 そうやって時間は過ぎていったんだ。


全63話です



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ