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49/63

49話目

全63話です


今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です

 診察を受けたのが高校三年生になってすぐの四月。そして手術の日程は五月の末に決まったんだ。


 さて、一か月無いんだけど、これからがあわただしくなる。あたしの性の問題は担任の先生は知ってるんだ。そりゃあ戸籍上は男の子ですもの、そんな事情があるって知っておかないといけない。だからかな、女性になる決心と共に戸籍をいじらないという話はしておかないといけない。


 これはあたしだけじゃあ済まない話なのですよ。


 という訳で早速、三者面談をしてもらった。事情をあたしが説明して、


「という訳で近い将来、ある女性と一緒になりたいと考えています」


 で締めくくったんだ。先生は少し考えていたみたいだけど、


「あゆみさんがそう言うなら、その道を敷いてあげるのが大人の務めというものでしょう。ご両親も納得されているなら尚更です」


 そう言ってくれた。


 それはつまり、性は女性、戸籍は男性で卒業まで通してくれるって事なんだ。これはとても大きいんだよ。ここで[いや、手術を受けたんだから戸籍を変えなさい]って言われてしまうともうお手上げ、というか。大学進学どころか退学の可能性も出てくるんだ。それが無かっただけ良しとしないとね。


「卒業後はどうするだい?」


 と先生に聞かれたので素直に[大学に進学したいと思います]って答えたら、


「受かった際にはこちらから事情を説明しよう。学校関係者相手なら同業のものがいいだろうし、その辺りは昨今の風潮もあるけどあまり神経質にならなくても良いと思うよ」


 って言ってくれた。なるほど、確かに最近のネットでのアンケートも性別の欄に[答えたくない]っていうのが出来たし、そもそもマイナンバーカードの性別の欄もケースに仕舞うと見えなくなるし。


「ありがとうございます。勉強に励みま……その前に手術なんですけど」


 そう手術。これには瞳美も関係してくるんだ。だから、先生との面談が終わってからそのままお母さんを連れて瞳美の家にお邪魔した。


 向こうもお母さんがいてくれた。そこで、


「事情は瞳美さんから聞いているかもしれませんが、あたしは瞳美さんと結婚がしたいです」

 ってハッキリと言いましたよ。向こうのお母さんは、


「瞳美からは聞いています。私たちの見解は[二人が添い遂げたい]ならそうさせてあげるべきと考えています。そちら様は?」


 さぁお母さん、出番ですよ。


「私どもも本人の希望を第一に考えています。性別は女性、となりますが戸籍上は男性扱いです。ですので通常婚と変わらないか、と」


 本当に、お父さんとお母さんにはある意味感謝の連続ですよ。


 もちろんこの関係を認めてくれたのもある。でもね、一番大きかったのは[とりあえず男として届け出た]ところにあるのですよ。幸運にもそれがここに来て吉と出たんだもん。書類上は何もおかしくない二人の間柄、そして女性であるあたしを受け入れてくれた瞳美。さらに、もしかしたら二人の間に子供までもうけることが出来る可能性まである。そういう意味では股間の[アレ]もまんざら無駄ではなかったって言えるよね。まぁ、ほとんど構ってやってないんだけども。


「瞳美はどうしたいの?」


 ここに居る皆が答えの分かっている質問を向こうのお母さんがしてくる。


 瞳美は、


「私はあゆみと結婚したいって考えてるわ。でもそれは今じゃあない。高校を卒業して、大学に進学して、社会を一度見てからになると思う。それでも、私の気持ちは変わらないんだと思うの。そして将来、あゆみとの間に子供を持ちたいと考えているわ」


 そう、それが二人で出した答えなんだ。


「なら、私たちは反対する理由がないわね。そちらのご両親もご理解なさっているようだし」


 と瞳美のお母さんからもOKが貰えた。よしよし、これでまた一歩未来が開けたぞ。


 あたしはそんな気分でいたんだよ。


全63話です



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