43話目
全63話予定です
今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
それからというものは少しだけ肩の荷が下りた、というか。やっと瞳美に話が出来たというのが大きかった。それにパートナーにはあたしの身体の事を知っておいて欲しいからね。
早速、次の日にあたしは診察がある旨を、瞳美ちゃんは家の用事がある旨のお休みの申請をしていた。
時間差で行ったんだけど、
「そう言えば瞳美さんからも同じ日に休むという申請が出てるが、何か関係があるのか?」
と担任に言われた時は、
「そうなんですか? いやあたしは初耳です」
とだけ答えておいた。先生は[そうか、何かイベントでもあるのかな]とかなんとか言いながらも、
「よし分かった。毎度だが、遠方だから気を付けていくようにな」
と言って貰えた。よしよし、これで一つクリア。
お母さんには瞳美と話したあとにあたしが言ったんだ。そしたら、
「そうね、そろそろ手術の日程を決めないとね。瞳美ちゃんも来てくれるって?」
お母さんには今までの事と次第を話したよ。付き合ってるって話もね。そしたらお母さん、泣いてた。
「貴方を理解してくれる女性が現れたのね。それで、向こうさんは何て?」
と来たもんだから、おおむね順調で許可ももらっているという説明をしたんだ。お母さん、喜んでたなぁ。
でも同時に心配もしてた。それは、そうね、あたしの将来の子供についての話。更には性の話。まぁ、それにしたってまずもってして手術が先なんだけどね。
その週末に瞳美がウチに遊びに来たんだ。何か手には菓子折り持ってるから思わず、
「どしたの?」
って聞いちゃった。そしたら、
「これからお世話になるから」
って。これは詰まるところの[ご挨拶]というやつですか。でも、あたしもいずれはそうしたご挨拶をしないといけないのは分かってるんだ。でもね、中々ご両親が帰って来なくて。
「とりあえず入って」
それからの時間は性について向き合うっていう今までの確認の話になった。
要約すると、あたしは女性化するつもりでいる。籍は男性のままがいいがこれは要相談。そして大学にはいくつもりでいる。卒業と同時にまずは就職、そして結婚。その時に子供についてはどうするかを決める、とまあ文章で書くとほんの数行なんだよなぁ。
そんな話をしている間、瞳美は何かを言いたそうにしているんだけど、
「どうしたの?」
って聞いても、
「ううん、何でもないわ」
って答えてくれない。だからと言ってしつこく聞くのも野暮ってもんですよ。こっちは肩の荷が少し降りたという安ど感が強かったんだ。瞳美のその態度にそう突っ込みも入れずに話をしてた。
「じゃあ、来週の金曜日の朝一に電車で出かけるけど、大丈夫?」
というあたしの最後の質問にも、
「ええ、大丈夫よ」
その大丈夫という言葉には、何か決意のようなものが滲んでた、気がしたんだ。
全63話予定です




