42話目
全63話予定です
今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
「私の両親は[お前の好きにすればいい]って言ってくれてる。実はもう話してあるの。あゆみと一緒になりたいと考えてる、って。初めはやっぱり反対されたよ。[女性だぞ?]って。でもね、貴方が私の家に来て回数は少なかったけど両親と話をしているうちに向こうも考えを変えたみたい」
そうか、話、もうしてあるんだ。
瞳美は、
「それにあたしが先天疾患持ちだっていうのも大きいんじゃあないかな。特にお母さんが[好きにさせてあげて欲しい]ってお父さんに言ってて。お父さんも断固反対、って感じじゃあなかったから[最終的に決めるのはお前だよ]って言ってくれて」
そう、震える声で話してくれた。泣きそうになっているのを我慢してるんだってのは、今のあたしと同じだ。
これは泣いて済ませられる問題じゃあない。二人の将来がかかっている問題なんだ。あたしの手にそれだけのものが乗せられるのか? 瞳美の人生というものを抱えるだけの力があたしにあるのか? 再三そうやって自分自身に問われるんだ。
でもね、ここまで来たら清水の舞台から飛び降りる気分ですよ。もうやってやるって。
だから[嬉しい!]って言葉は出なかった。その代わり、
「ありがとうね」
とい言葉が出た。それはもちろん色々と考えてくれていた瞳美に対してであり、
「あなたのご両親にも、ね」
理解してくれ、とはいかないかもしれない。でも認めてくれるだけであたしたちは一歩前に出られるんだよ。その一歩を、今日踏み出せたんだと思う。
これからまだまだクリアしないといけない問題が山積みだ。それでも瞳美とならやっていける、あたしはそう思ったんだよ。
だから、
「検診日が来週の金曜日にあるんだ。午前中から受診の時間がとってあるの。だからその時にあたしの性の問題について、もう一回お医者さんと話してみる。瞳美はその話に混ざってほしいんだ」
もう一度同じことを言う。
瞳美は、真っすぐにあたしを見ていた。
そして、
「うん、分かったわ。私もその診察、一緒に混じらせてもらうわ」
そう言ってくれた。
これはもう既にあたしだけの問題じゃあない。あたしと瞳美と、それぞれの両親と。それぞれが合わさって、関わっていく問題なんだ。
「じゃあ、二人で……」
とまで出た言葉を、
「貴方のお母さんも一緒に話に入ってもらったら?」
ん? 診察はいつも一人で行ってるけど。[もういい年齢だから]って。お母さんが何故に関係が……まぁ、もちろんあるんだけど。手術もあるし……って、
「手術がどうかした?」
あとで考えれば、この時瞳美はその問題に気が付いていたんだよ。あたしはまだその事に気が付かなかったんだ。
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