40話目
全63話予定です
今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
そんなあたしたちの事情は時間というものは待ってくれない。お正月が過ぎれば期末テストがあり、進級すればほら、もう高校三年生だ。
高校三年生だ。二回言ったね、それくらい重要なの。三年生になったという事は十八歳の誕生日が来る、というのを意味している。それはつまり[タイムリミット]なのですよ。
あたしは男性になるつもりはないし、ここまで発達するともう性別変更は不可能みたい。実際[アレ]はほとんど意味をなさなくなってる。
年末に考えてた話がずぅっと頭の中を巡ってるんだ。
[いつ切り出そう]
って。切り出すには、まず自分がある程度方向性を持たないと話にならない。感情論でものを言っても不毛なだけなのは良く知ってる。
そうだ、転校する前の大病院の専門のお医者さんには定期的に通ってるよ。それこそ治療が必要な疾患だからね、って、主に注射なんだけど。瞳美もその事は知ってる。だから定期的にって言っても数か月に一度、あたしは学校を休んで電車に乗る。んで、隣の県まで出かけてるのですよ。
その検診日が来週にあるんだ。
[ここいらで決めないと]
そんな心の声に押されるように、まだ半決まりの状態で瞳美の家に遊びに行く。
うーん、うーん。
ずっとそうしてるもんだから、
「あゆみ、どこか具合悪いの?」
そんな心配されちゃうくらい。まぁ、それはそれで嬉しいんだけど、ちょっとプレッシャーというか。でもね、それじゃあいつまで経っても前になんか進まないんだ。それに相手は恋人だぞ、あたし。自分にそう言い聞かせて、
「あのね、話したいことがあるんだけど」
そう言って切り出した。
今まで話してきた性のはなしだ。瞳美は途中で口を挟まずに聞いてくれた。
「瞳美は、どう思う?」
今日のあたしは口が重い。鉛でも埋め込まれたかってくらい言葉が出てこない。文字にすればたった数行、その言葉が出てこないんだ。
だから、
「やっと話してくれたね」
と瞳美に言われた時は、どう言って返したらいいかまったく出てこなかったの。[何で今まで黙っていたんだ]って言われると思ったのが一番かな。でもね、
「私にもその話、半分抱えさせてくれないかな」
って言ってくれた時は、ちょっとウルっと来たよ。
状況は待ってくれない。だから、今日にでも瞳美には話さないと、手術の段取りもあるし。
ちなみに今は四月、高校三年生って三回目か。で、あたしの誕生日は、実は九月なんだ。それも二十二日。
もちろん黙ってたわけじゃあないよ。偶然ってあるんだなぁっていう圧倒感が言うのを忘れさせたというか。ちなみに瞳美ちゃんは八月なんだ。ここまで二回ずつ誕生日をお祝いしてるの。
あたしの誕生日を聞かれた時に、
「えっ!?」
そうですよね、そういう返しになりますよね、って思った経験があったのはあれからもう一年半前の事だ。
でも、出会って、恋をして。その恋故に悩む事があったりして。これって青春というやつなんですかね。
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