38話目
全63話予定です
今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
結局、男子生徒の目的はあたしの目論見通りだった。
第一目標はあたし、よしんば瞳美ちゃんも狙おうか、そんな感じ。意外だったのはそれが受験生だったってところかな。こんな事すれば内申点もそうだし、そもそもあたしが訴えれば前科が付くからね。
それでビビったんでしょう、例の男子生徒の両親揃って学校に謝りに来たよ。その内にあるものはズバリ[出来心です、すみません、今回ばかりは許してください]って事。先生は[被害者はお前だから好きにすればいい]って。
で、今回に限って警察沙汰にはしないからって和解した。相手にはあたしたちに近づかないように、とも。まぁ、十一月ももう下旬、もう少しすればいなくなる身ですからね。
瞳美ちゃんは最初、反対していた。そりゃあ、あんなことをしておいてお咎めなしというのは納得がいかん、というやつですよ。
でもね、良く考えてみて。あたしは秘密を知られなかった。そして相手はもうじき卒業。それに[いつでも警察に訴えられる]という枷を嵌めて野に放つんだ。次にもし何らかのトラブルがあった時はあたしの件も出してもらうつもりでいる。
というのが本音というか導き出された結論というか。実際は学校生活が[積まなかった]ので良しとしようというところ。ヘタに刺激しても、それはそれで逆上されてもかなわないし、もしもそんな時に[アレ]を見られでもしたらって。
だから瞳美には帰って二人で話をした時にそう言ったんだ。全部打算という名の計算に基づているって。
そしたら瞳美ってば、
「もう、心配したんだからね」
ってギュッとハグしてくれた。あたしはあたしでやっと力が抜けたというか、ぐにゃっとしちゃって。今更のように震えが来ましたよ。その震えは、襲われたという事実よりも[アレ]がバレなかった安ど感が優先したというか。
じゃあ、胸揉まれたのはいいのかって話だけど、それは正直どうでもよくって。
「どうでもよくない!」
瞳美は[私が拭いてあげる]ってあたしの上半身の服を脱がせて濡れタオルで優しく包んでくれた。きっと[汚された]と思ったんだろうね。あたしがどうでもいいと感じるのは……やっぱり男の性が囁くのかなぁって。瞳美にはそのことは言わなかった。だって、言っても水かけ論ですよ。それにもしもそれが男の性による考えだったと結論になっちゃったら[じゃあ今のあたしは女ではないのか]ってまた苦しむから。言われた瞳美だって苦しむと思う。
それならいっそ、黙っておこうって。
それにあたしは瞳美が気遣いしてくれた事に満足しているのですよ。ちゃんと女として見てくれて、汚れた身体を拭いてくれて。そんな心使いがとても嬉しかったし、心に沁みるのですよ。
で、思わず二人でキスをした。瞳美曰く[口も汚されたでしょ]って。いや、キスはされなかったからと返したんだけど[汚されたのには変わりないから]って。瞳美ってば、ちょっと潔癖症な一面があったり、ね。まぁ、あれだけ極端にものが無い生活をしてるってのを考えればそれも納得かな。
あ、別にそれでどうのとかは思いませんよ。だって彼女だし。
彼女? じゃあ、あたしは?
いかんいかん、止めようそんな話は。
かくして大事には至らず、アフターケアもあってあたし的には[まっ、しょうがないか]って結論に至ったのですよ。
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