35話目
全63話予定です
今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
十一月も下旬、あたしたちは相も変わらず、学校では[普通の友達]を演じていた。その演じ方は自分でも褒めたいし瞳美を褒めてあげたい、それくらい可もなく不可もなく、という関係を装っていた。
だからなのかも知れない。
「あゆみさんいますか?」
そう尋ねてきた男子学生に何の違和感も持たなかったんだ。
直ぐに、
「はい、あた……私ですが」
と出ていくと、どうやら二人で[話がしたい]との事。ここでちょっとだけ現実世界で慣れ切ってしまっていたセンサーが動いたんだ。
[二人だけで話がしたい。それって何かの相談事のハズ。でも相談する相手があたし、しかも顔を知ってる訳じゃあない。という事は瞳美ちゃん関係なんだろうな]
まではスラスラと出てきた。そこでセンサー発動ですよ。
何度も言ってるけど、あたしには秘密がある。もちろん瞳美ちゃんにも。それを気取られるわけにはいかない。何事においても予防線だけは張らないと。
その男子学生に、
「ちょっと待っててもらえますか」
と言って自分の席に戻ってメモ書きを走り書きで残して机の中にいれる。
[九二二、屋上]
瞳美ちゃんはそれとなくこちらを見ていた。そりゃあそうか、見知らぬ男子学生が尋ねて来れば、それもあたし指名でとなればなおさら心配もしてくれる、ハズ。だからアイコンタクトだけ取ってあたしはその男子学生と部屋をあとにしたんだ。
しばらく歩いている。向こうは行先をしていていなかったから、
「屋上で話しませんか? あそこなら人もそんなに来ませんし」
と提案してみる。その提案に[そうだね、人目につかないところが良いな]と意味深な発言をして提案を飲んでくれたんですよ。
正直、半信半疑な気分。例えばこれが[誰某との間を取り持ってくれ]的なやつなら、相手にもよるけど[いいですよ]って言ってると思う。二年になってそれなりに友達も出来たし。あたしだけじゃあ手に負えなければそれとなくヘルプも借りられると思う。
だけど、もしも相手が瞳美やあたし狙いだったら? あたしたちは学校では友達、プライベートでは恋人。学校でのあたしたちを見れは可能性は十分にある。
本当にこの身体で十七年も生きてくると、人を見ればまず疑ってかかる、そんな習性が付くというもの。ましてや相手は男子、と来れば、ねぇ。
そんな男子学生は迷わず屋上階段へと向かう。あたしも後ろから付いていく。屋上には……やっぱり、誰もいない。自分で言っておいて何だけど、屋上って基本的には生徒は入らないんだ。
じゃあ何でそんなところを選んだかって? それは一応相手に気を遣ったから。もしも色恋沙汰だったら聞かれちゃあ流石にマズい。どのくらいって、この手の噂は瞬く間に広がるんだよ。それこそ光の速さ、は言い過ぎか。でも本当に早い早い。特に女子たちはその手の噂が好きな生き物だからね。茶飲み話に[そう言えばさぁ]って始まるの。あたしも何度かそんな噂話、聞かされたなぁ。そういう時の女子のまた嬉しそうな事。特にこじれてる系のは本当に聞いてるこっちが嫌になるくらい喜んで話すの。
だから絶対にあたしと瞳美ちゃんの関係は知られちゃあいけないんだ。それにその手のセンサーは常に張り巡らしてる。変な噂になってないかってね。
そして屋上に着いて、
「何の用ですか?」
と聞いたの。そしたら。
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