25話目
全63話予定です
今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
その日はシフトが入ってる日だ。夕方の六時から入って十一時までの五時間をシフトで振り割られてる。その他の時間でスキマ時間はやっぱり店長さんがこなしてるみたい。だから、休日とか入れられる時はあたしたちは入るようにしてる。
向こうも何か察したみたいで、用があるとあたしか瞳美ちゃんのところに連絡が入るようになってるんだけど、最後に[じゃあ相方にも同じく伝えておいて]って二人ワンセットで考えてくれてるみたい。
「いらっしゃいませ」
夕方六時から八時過ぎまでは正直[いらっしゃいませ]と[ありがとうございました]が途切れる事はほぼない。だからトイレとかも大変で。よく店長こんなの一人で回してるなぁって感じ。
でも九時近くになると流石に空いてくる。
多分、これが瞳美ちゃんのベールの目を粗くさせてるんだろうな。そりゃあコミュニケートしないとやってられない職種ですから。
瞳美が話を振って来たのは、そんな日配の一便が来る前の時だ。
「聞いてくれる?」
「何があったの?」
まぁ、そういう流れですよ。そしたら、
「私、告白されちゃった。今、付き合ってる人がいるのか、とか、好きな相手はいるのか、って。どうしたらいい?」
いやいやいや、あたしに言われましても。
「それは瞳美が決めるべき問題だよぅ、って言っちゃうと困るだろうし、それは無責任だから一緒に悩やもっ」
それくらいの関係にはなってる。だって秘密を知り知られてる友達、親友だもん。
よく聞くと、相手は二年生らしい。口ぶりから推測するに、中学校の時から瞳美に惹かれてたみたい。それでも中学時代に声をかけなかったのは、やっぱりその身にまとってるベールのせいというかお陰というか。で、高校生になって、雰囲気が変わってさらに魅力的になって、声もかけやすくなって、辛抱溜まらんとばかりに声をかけてきたらしい。
「なるほどねぇ。でもそれって瞳美が着実に変わってるっていう話だからいい傾向なんじゃあない?」
と声をかけると、
「そう言うのを言ってるんじゃあないわ。問題は付き合って欲しいって言われた事なの」
うーん、
「何か問題でも?」
「おおありよ。プライベートの時間が減るのもあるし、その、秘密もあるし」
あ、そっか。
「確かにそれは重大な事案だね。でも、それってやっぱり最後は自分で決める事なんじゃあないかな。例えばあたしが[付き合わないで]って言って、もしも将来[あの時に付き合っていれば]とかね。もちろん逆パターンもあるよ、その場合は秘密がかなり障害にはなると思うけど。付き合えばどの道知られちゃうんだろうし」
そう言ってるあたしの心は揺れていた。プライベートの時間が減る、それはあたしと一緒にいられる時間も減る、という事なんだ。それはそれで仕方ないのかも知れないけど、あたしはどうだ? って聞かれれば、やっぱり付き合って欲しくなんかない。
それ以上の言葉が出てこない瞳美に、
「あたしは主観で決めても、客観で決めても良いと思うよ。でも、俯瞰した目は持ってた方が良いかな」
と、ちょっと頭を使った言い方をしてみた。
何を決めるにしても、何を行動に移すにしてもそうだ、あたしたちには秘密がある。それを忘れちゃあいけない。
「分かった、ちょっと考えさせて、って相手にも言った言葉なんだけど」
その日はあたしが主に仕事を回したんだ。
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