24話目
全63話予定です
今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
学校生活は、ほぼほぼ順調に進んだ。もちろん気を遣ってるというのが前提にあるんだけども、秘密が漏れる事もハブられる事もなく過ごしていった。互いに友達も出来たよ。
そんなある日、
「瞳美さん、いますか」
って尋ねてくる人がいた。顔は知らない男子だ。学年は……やっぱり分からない。
近くの人が、
「瞳美ちゃん」
って呼んで彼女がその男子の元へと向かう。しばらく何言か話をしたみたいだけど、二人で教室を出て行った。
まず真っ先に疑ったのは秘密の露呈だ。それだけは避けないといけないけど、ちょうど斜め後ろから見た瞳美ちゃんの表情に大差はなかったように見える。そうすると、考えられるのは彼女の家に関する問題。だけどこれはおそらく、無い。何故ならそれくらいの頻度で遊びに行ってるから。
すると、あとは。
「告白? まさかね、それは無い……と信じよう」
なんて独り言を言ってみたり。
中学校までの瞳美ちゃんは、薄いベールを身にまとってその中には絶対に、糸一本通さないという鉄壁の守りがあった。もちろんそれは今でも健在ではあるのだけど、高校に入ってからの彼女はそのベールに隙間が出来た、というか。うーん、何て言うのかな、ベールの目が粗くなったから糸が通りやすくなった、みたいな。コンビニでのバイトが関係してるのかも知れない。
初めてバイトに行ったとき、店長さんに仕事を教えて貰ったんだけど、そこで、
「瞳美さん、もうちょっと笑顔、作った方がいいな。ちょっと無愛想にみえがちだよ」
って言われてたのがあって。
バイト終わりはいつも深夜なので二人そろって帰るんだけど、そこで、
「ねぇあゆみ、私ってとっつきづらく見えるかな?」
って聞かれた事があって。その時は、
「うーん、正直鉄壁のベールを身にまとっていて糸も通さない、ようには見えたりするよ」
そうアドバイス? した時があった。そのあとからかな、学校でも段々と打ち解けやすい雰囲気を持つようになったのは。
さっき言ったベールの目が粗くなって、生地の間隔が空いて風通りがよくなった、というべきなんだろうな。でも間違っちゃあいけないのは、ベール自体が決して消えた訳じゃあないんだ。
ただ、傍目から見て明らかに他の子と話をする機会が増えた気がする。
事実、コンビニで二人だけでバイトしてた時、たまたま客として来た店長さんに、
「おぉ、いい表情するようになったねぇ。そうそう、女の子は笑顔、大事だよ。恋人が出来た時とか、笑顔作れた方が何かと便利だよ」
なんて、おじさんクサいアドバイスをもらってたなぁ。店長さんはたまにこうやって買い物がてらお店を見に来る人で、それが見張られてるって感じる子もいたみたい。だから、人が寄り付かなかったという裏情報を友達づてに耳にしたんだけどね。でも、あたしはいいと思うなぁ、だって自分の店だし。それに見張られてるっていうなら防犯カメラ付いてるし。
まぁ、今どきの子はそういうとこ、敏感なんだろうけど。あっ、あたしも今どきの子だよ、多分ね。
そんな妄想とも回想とも取れる考えをしてた頃、瞳美ちゃんは帰って来た。
「ねぇ、どう……」
ちょっと声、かけずらいぞ。何があったの?
そんな心の声を聞いてか、いや、聞かなくてもあたしでもそう言うだろうのは相手にも伝わってる。
「今日のコンビニバイトの時間、ちょっと話に付き合ってくれる?」
とても複雑な表情でそうあたしに言ったの。
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