20話目
全63話予定です
今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
次の日は勉強時間に当てた。それはそう、もうすぐ十月、一歩たりとも遅れてはならないんだ。特に秘密を知り、知られた今となっては、是が非でも稜鍾高校に入学しないと。
瞳美ちゃんは、お父さんが教育関係者というのもあるんだろう、成績は、それこそ隣町の星学館高校にでも入れるくらいの良さなんだ。一方のあたしは……はい、頑張ります。
で、一緒になって勉強した。途中で休憩も入れたりして。
「これなら大丈夫じゃあないかな」
見た事のない年度の模擬テストを時間を測ってもらって解いたら、合格ラインに滑り込んでいた。うん、だってあたしも今までサボらずにやって来たんだもん。
「じゃあ次は瞳美ちゃんね」
とは言ったものの、結果は見えてるんだけどね。
瞳美ちゃんが問題を解いている間、あたしは彼女の事を考えてた。
二人とも同じ高校に入れたとして、これからどうなっちゃうんだろう。まずもってしてクラスの中での接し方が分からない。いつものクールビューティーな彼女が、それこそあたしみたいに喋りはじめたらそれはそれでおかしいし。かといってダンマリを決め込むのも何か違うと思う。
その辺りはおいおい相談かなぁ。
それにしてもいい匂い。部屋に香ってる匂いもやっぱりいい。何て言うのかな、包み込まれるような、優しい感じというか。
「いい匂い」
思わず言葉が出ちゃう。それだけリラックスしてたんだと思うけど、まさかの考えが口に出るとは。
思わず手を拝んで[ゴメンゴメン]って言おうとしたら、
「私もあゆみちゃんの匂い、心地いいわよ。昨日はぐっすり眠れたし」
と返って来た。
ちょうどテストが終わる時間だったので、採点して……はい、頑張ります。それはいいとして、
「うん、あたしもいい匂いだなぁってそのまま寝ちゃった。もしかして」
イタズラしてた? と聞こうとしたら、
「大丈夫、悪戯なんてしてないわ、したかったけど」
おいおい、したかったんかい。まぁ、瞳美ちゃんならいいけど。
勉強が一区切りついたので、
「ねぇ、これからの事なんだけど」
とさっき考えてた内容を話す。
すると、
「うーん、ツンデレではないんだけど、今のスタンスを崩す気はないんだ。だから御免、人のいるところでは今まで通りでいいかな? その代わりと言っては何だけど、またいつでもうちに来てもらっていいから。その時、また、そのお泊りとかしたいかな、って」
うーん、その恥じらってる顔の表情が溜まらんのですよ。本当にあれよあれよという間に仲が深まったな。逆に怖いくらい。
でも知ってるんだ、この関係は間違いなく続くって。何故なら二人とも絶対に知られてはならない秘密をお互いに知ってしまったから。
これは相手への切り札にもなれば、相手からの弱点にもなる。そんな関係になったんだ、って改めて感じるんだ。でもそれは、あたしが望んだ過程でもある。まだ結末じゃあないよ、過程。これから関係が続くんだ、親しき中にも礼儀は持ってないとね。
そうだ、いいこと考えた。
「ね、ねぇ。その、二人でいる時は何て呼べばいい?」
ちょっと勇気を出して聞いてみる。すると、
「瞳美、でいいわよ。私もあゆみって呼んでいい?」
何か照れるけど、
「うんいいよ、瞳美」
もう最高ですよ。あ、でもこれって、
「逆にちゃん付けしてる時は人がいるって事で良い?」
と確認を取ってみる。
「そうね、オンオフ切り替えられるし、それがいいかも。電話とか、相手が見えない時もあるだろうし」
と返って来た。そうだよね、それがいいよ。
「これも二人の秘密ね」
「ええ」
そんなこんなで時間は過ぎ、あたしはニヤニヤしながら家に帰ったのであります。
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