19話目
全63話予定です
今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
「さっきも言ったけど、ここ数日は両親とも旅行に出てるから、その、貴方が良ければ泊っていってもいいよ」
正直、舞い上がるくらい嬉しかった。進路を聞かれてから、あれよあれよという間に秘密を知られ、秘密を知って、あげくその友達の家に泊まれるなんて。
「え、いいの? ならちょっと電話させてもらっていい?」
瞳美ちゃんの[どうぞ]という言葉と共に電話を貸してもらって今日は彼女の家に泊まる旨の話をした。お母さんは当然[身体は大丈夫なの?]と聞いてくるが[それなら大丈夫]と答えておく。
秘密がバレたのは両親にも言えない。だってあたしも秘密を知った。だからこれは二人だけの秘密だもん。
受話器を置くと、
「大丈夫そう?」
と聞かれるので、
「バッチリ」
とOKマークを指で作って答える。そうしたら次に思い当たるのが食事だ。
「家に材料あるから作ってもいいんだけど、待たせちゃうし」
と来たもんだから、
「じゃあ、一緒に作ろっ」
被せ気味にそう返す。瞳美ちゃんは[えっ、大丈夫なの?]と聞いて来たので、
「大丈夫、それに今日は記念日でしょ?」
と言って片目を瞑る。瞳美ちゃんは[あぁあ]という表情をしたあとに笑いながら、
「そうね、私たちの秘密の記念日。もしも何かあったらこの日を合言葉にしましょう。九月二十二日、それが私たちの記念日」
そう言ってくれた。
そうとなれば早速料理だ。と言っても家ではお母さんがもっぱら料理してるからロクなものが作れない。素直にそう話すと、
「じゃあ定番のカレーライスというのは?」
と来たから、
「うん、そうしてもらえると」
と言って片目を瞑る。
それからという時間は、とても楽しかったよ。包丁さばきがどうの、とか肉はこれくらいの火加減が良いのだとか、ね。まぁ、主には瞳美ちゃんが作ったんだけど、それでも初めての二人の作業って感じで。何て言うんだろう、小学生として転校して来てから、今の中学三年生までの数年間、あたしだけが友達と思ってきたものが、本当の意味で互いに友達になれた、そんな気がしたんだ。
で、ご飯もお話しながら食べたんだ。やっぱり人と一緒に食べるご飯、美味しいよね。
そのあとは、お風呂なんだけど、流石にちょっと心の準備が出来てないから別々に入った。瞳美ちゃん、浴室に座って話してくれたよ。
で、今寝る前の時間になっているんだけど、
「眠れそう?」
いいえ、眠れそうにありませんよ。だってシングルベットに二人、だよ。身体を寄せ合わないと落ちちゃうし。だから必然的にくっついた体制になってる。そうすると[アレ]が当たるんですよ。でも瞳美ちゃんは、
「気にしないで。二人の秘密、でしょ」
って言ってくれた。思わずギュッとしてしまう。んーいい匂い。
そう言えば、どこかの偉い人が言ってたっけ。えっと、相手の体臭が心地よい匂いと感じるのは遺伝的に遠い存在なんだって。逆に遺伝的に近いと嫌な匂いとして感じるらしい。それは本能的に子孫を残す際に近親者を避けるように出来ているんだ、だっけかな。
瞳美ちゃんはどう思ってるんだろう。そんな事を考えてるうちに寝落ちしてしまったのですよ。
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