15話目
全63話予定です
今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
「これって、生体認証ってやつ?」
思わず尋ねると、
「そっ、キーはあくまでも[持っていますよ]って確認だけ。設定によっては目を近づけるだけで開けられたりもするんだけど、まぁ、物理キーがあった方がいいってお父さんが」
そりゃあそうですよ、いくら世間が進化してるとはいえカギ無しで玄関を開けるのは……って、もしかしてあたし、古い考え?
ま、まぁ、それは置いとくとして、
「どうぞ」
と言われたので、
「お邪魔しまーす」
と中に入る。
おぉ、片付いている。ウチも確かに荷物は少ない方だと思うけど、ここンちはもっとだ。ショールームって言っても通るくらいの綺麗さである。
あたしがキョロキョロしてると、
「そんなに珍しくないよ」
瞳美ちゃんはクスッと笑って[トイレはここね]と言ったあと廊下を歩いて、ある部屋の前に立って、
「ここが私の部屋。どうぞ先に入って待ってて。私は飲み物を持ってくるから」
そう言われては[うん、分かった]と言うしかない。まぁ、人の家で出来る事って言えば応接を待つくらいなんだけどね。
部屋に入ると、やっぱりモノがとても少なく感じる。もちろん収納がしっかりしてるからモノを出しておかなくても済むのだろうけど、それにしても本当にサッパリしている。
ソファがあったので、それに腰掛ける。
[自分の部屋にソファって。凄いよね]
なんて心の中で言ってみたりね。
しばらく部屋の中を眺めてる。と言っても本当に何もなくて、ノート一冊外に出ていない徹底ぶり。
こんな時、スマホを持っている子なら弄って時間を潰すんだろうけど、あたしの家では高校に入ってからって話になってるの。
だから、
「お待たせ」
って瞳美ちゃんが部屋に入って来るまでずっとキョロキョロしてた。まるで不審者だよね、とも思ったんだけど、
「すごい綺麗に片付いてるね、っていうか何もない」
ってそのまま言葉に出てた。瞳美ちゃんは、
「そう? この生活に慣れちゃったからモノが外に出てるのが逆に気になって。ノートや教科書も全部しまってあるの」
そう言って壁の扉を開く。そこには整理整頓された本棚が備えられてた。
「そっかぁ、でも凄いね。さっきのカギもそうだけど驚きだよ」
そんな返しをする。
「とりあえず、紅茶で良かったかしら?」
そう言われて出されたのはアイスティーだ。んーグラスもお洒落だ。
「うん、ありがとう」
そう言ってグラスを貰って少し飲む。茶葉もきっと良いの使ってるんだろうなぁ、だって売ってるペットボトルの味じゃあない、淹れたての香りがするもん。
「んー美味しい」
思わず感想が漏れる。いい味。
「そう? お口に合って良かったわ」
そう言う瞳美ちゃんはにこやかだ。いつもの教室で見ている彼女とは別人みたいであるのですよ。
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