14話目
全63話予定です
今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
それから数日が過ぎた。相も変わらず瞳美ちゃんはいつものままだ。ひょうひょうとしていて、掴みどころがない。相手を近づけさせない代わりに自分からも近づいたりしない。
もちろん、まったく会話しない、なんていう極端なものじゃあない。話しかけられれば話に乗ってるところも見てたりする。
だけどそれは表面上なんだろうな、って分かっちゃうの。相手にもそれとなく伝わるみたいで、必要以上の話に発展しない。でも不思議と嫌われたりしないのは、やっぱり人付き合いの極意、みたいな? それに瞳美ちゃん、美人だし。
そんなこんなで数日が過ぎたのですよ。そして今日は金曜日。いつものように学校での時間はつつがなく過ぎて行って、昼食の時間を過ぎて午後の自習時間になり、そこからなし崩し的に自主勉強の時間になる。
もちろんあたしも勉強してるんだけど、瞳美ちゃんの事が気になって、ちょっと身が入らない。チラチラ彼女の方を見ちゃったり、ね。
そんなあたしに瞳美ちゃんは、
「そろそろ切り上げましょうか。一緒に帰らない?」
そう言ってきた。もちろん、
「うん、一緒に帰ろ」
まだ時間早いけど、勉強を切り上げて帰宅の途につく。
帰ってる途中の瞳美ちゃんの顔つきは学校で見せている、どこか凛と張った表情とは違って少し穏やかに見える。これって、あたしちゃんと友達認定されてるんでいいんだよね?
今日あった出来事とか、そんな話で話題を繋いであたしの家の前までくる。
多分、ここでバイバイかなって思ってたんだけど、
「荷物、置いてうちに来ない?」
と誘われたのですよ。キタって感じで、
「うん、行くよ。ちょっと待っててね」
そう言うとアパートの階段を駆け上がって[ただいまー]と言いつつも[出かけてくるからもし遅くなったら先食べてて]と流れでお母さんにことづけてそのまま靴を履いて、
「戻って来たっ」
と待っている瞳美ちゃんの前に出る。その時の表情が何とも切なげで。でも[何故]って聞けなくて。多分、聞いたら[何でもないよ]って言うのも分かってる。でも切なそうなその表情にあたしは、
「行こっ」
と気が付かないフリをしてそのまま手を繋いでた。振りほどかれるかも、って一瞬思ったりもしたけどそれはその時。でも振りほどいたりせずにちゃんと握り返してくれたよ。
「今日ならちょっと遅くなっても大丈夫だし」
今日は金曜日、明日はお休みだ。そんなあたしに、
「今日ね、私の両親旅行でいないの。だからピザでも取ろうか?」
多分さっきの話を聞いてたんだろう、そう聞いてくる。なんかとても嬉しかった。あの時から急にどうしたの? って気持ちはあったけど、それ以上に心を開いてくれた……ように見えるその瞳美ちゃんの態度にあたしはすっかり当てられてた。
で、気が付いたら、
「うん、いいね、そうしよう」
そう答えてた。スマホは、まだ持ってないからあとで電話貸してもらおうっと。
マンションのエントランスまで来た。実はこのマンションって結構お高いんだという噂なんだよね。セキュリティーもしっかりしてるし。
自宅のキーが各所のセキュリティーロックになってるみたい。さっきも玄関でキーをかざすと[ピッ]っていって空いたし。
そのキーをエレベーターのスイッチのところにかざすと階を指定しなくてもその階層で止まる仕組みみたい。だからボタン類には一切触ってない。
五〇五号室、それが瞳美ちゃんの家みたい。
キーを差し込んで回すのかと思いきやインターホン? に向かって目を近づける。
するとカチッって扉のロックが外れる。
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