13話目
全63話予定です
今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)
※特に告知していなければ毎日投稿です
家に帰ってからのあたしはちょっと舞い上がっていた。
どれくらいって、
「学校で何かあったの?」
ってお母さんに逆に心配されるくらい。もちろんその経緯を話したよ。
そうしたら、
「そう、瞳美ちゃん、良かったじゃない。仲良くするのよ、予定で行けば同じ高校に通うんだから」
なんて釘まで刺されても、
「うん、もちろんだよ!」
もう気分としては良く言う[正月と盆が一緒に来た]くらいの気分。
そんなあたしだけど、ちゃんと一線は守るつもりでいるんだ。でも、でもね、もしも瞳美ちゃんのような恋人が出来たらそれはそれで素敵な事なんだと思う。
だけど、あたしは女の子。決して男の子にはならないって決めてる。まぁ、世の中それでも回るようになってきてるし……ってそういう話じゃあない。
今日は終始、瞳美ちゃんの家に行くので頭がいっぱいだ。勉強も手につかないくらいにね。ご飯もそぞろにお風呂に入る。
「うーん、日本人に生まれて良かったぁ」
今日はお風呂に一人で入ってる。お母さんは何かまだ家事が終わらないからって[先に入ったら]って言われて。
やっぱり湯舟っていいよね。
だけど、事あるごとに[アレ]があたしの前に立ちはだかる。
もしも、瞳美ちゃんがもしこれを知ったら何て言うんだろう。やっぱり[おかしい]って言われちゃうのかな。
まぁ、あたしとしてはもちろん言うつもりはないけど、もしも瞳美ちゃんが理解者になってくれたら、それはそれでとても心強い仲間になってくれそう、って今日一日ではしゃぎすぎたあたし。
湯船につかる時はなるべく腰を浮かさないようにしてる。そうしないと、見えちゃうもの。あたしにとっては見たくないものだけど、生まれて来た時からそこにあるモノだから、それはそれで一応の身体の一部という実感はある。
そ奴を完全に否定できないのは、やっぱり生んでくれた母親という存在が大きいかな。あたしが[ソレ]を否定すればするほど、まるでお母さんまで否定してるみたいで。
だから最近はその話題に触れないようにしてるし、向こうもあえて触れてこない。お風呂もそうだし着替えの時も[何事もなかったかのようなやりとり]それが今のあたしとお母さんの関係、かな。
この身体の秘密を知ってるのは、この県にはお父さんとお母さんの二人、それに学校の先生だけのハズ。それが崩れた時、あたしの生活はまたゼロに戻っちゃうんだ。
「だけど、なぁ、こいつも望まれてないのも、なぁ」
と思うのですよ。そりゃあ十五年も付き合ってきた身体の一部ですから、愛着こそないものの憐みの気持ちくらいは持ってる。なんて言ったって、あと数年すればちょん切られちゃうんだし。
それでも心の中にあるモヤモヤ、それは取れないでいる。あたしは女の子、だけど完全体じゃあない。だけど両親への気持ちと。否定すればするほどお父さんやお母さんの顔が浮かんでは消える。だからモヤモヤしてるんだけどね。
「瞳美ちゃん、かぁ……」
あたしがもしも男だったら絶対に惚れてるって。
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