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11話目

全63話予定です


今回に限り「あゆみと瞳美」は曜日に関係なく毎日2話ずつ、18:00と18:10に投稿します(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です

 その曲がり角は、瞳美ちゃんと一緒に帰る時に、一緒にいてくれる最終ラインなんだ。


「家まで送るよ」


 って言っても、


「ううん、いい。私はここまで」


 っていう[ここまで]がその曲がり角なの。


 実は以前に下校が少しだけズレて、あたしがちょっとだけ遅くなった時があったの。そんな時に、目の前に瞳美ちゃんを見つけて。普通なら声をかけるべきだろうし、そうするのが自然だったんだろうけど、あたしはそのまま気が付かれないように後ろを付いて行ったの。


 その時のあたしは[もうちょっと仲良くなりたい]ってちょっと焦ってた、そんな時代。確か中学に入ってちょっとした頃かな、とにかくその頃の瞳美ちゃんのクールさに当てられてしまっていた訳ですよ。で、さっきの曲がり角までコッソリと付いて行った。


 結果、瞳美ちゃんは曲がらずにそのまま真っすぐ行ったんだ。しばらく付けて、家の場所が判明したってわけ。まぁ、実際に家が分かった訳じゃあない。彼女の家はマンションだったんだ。


 流石にそれ以上先へは付いていけなかった。だけどこれでハッキリした点がある。瞳美ちゃんの家はあたしンちよりも先、あたしの家を通り過ぎて更にその道の先にあるって事。


 それを知った時は[どうして教えてくれないの]ってちょっとへこんだよ。だって、一緒に帰ればあたしンちのアパートの前まで来て[じゃあまた明日]って言えるじゃない? でも瞳美ちゃんは例の曲がり角で必ず[私はここまで]って言って曲がっていく。その道って実は彼女の家に行くには遠回りなんだ。なんならあたしンちからもかなり遠回りになる。


 どうしてそんな曲がり角を選ぶのか。あたしはそれがずっと気になってた。で、でもね、それは聞いちゃあいけないんだと思う。多分瞳美ちゃんなりの何か考えがあっての行動だろうから。


 だからそれ以降も、何度かそれとなく[家まで送ろうか]と言ってはみたものの結果は同じだった。


 そんな曲がり角まで来てるんですよ。


 心臓が高鳴る。


 何でだろう、相手は女の子なのに、まるで恋してるみたいな気分。もちろんそれが違ってるのは分かってる。けどね、私の心臓は高鳴ってるの。


 曲がり角まで来た。お互い、しばらく無言が続いた。どれくらいだろう、多分数秒くらいなんだと思うけど、ちょっと居ずらかったよ。


 でもね、


「家まで送るよ」


 勇気を出して言ってみた。


 結果は分かってる。また多分いつものように[ううん、いい。私はここまで]って言われるに違いない。それでも今日なら、って思っちゃった。それはプライベートな話を向こうから振って来た、ってのもある。そのあとの楽しいおしゃべりな時間もある。その時の、瞳美ちゃんの笑顔が忘れられないってのもある。


 ダメだって分かってる、でも言いたいんだ[一緒に帰ろう]って。


「貴方なら良いのかも」


 瞳美ちゃんは誰に言うでもない小声でそう言ったのを聞き逃さなかった。それくらい彼女の発する言葉に集中してたってのが大きい。


 あたしが、


「えっ、何?」


 って声を返すと、


「一緒に帰りましょう」


 そう言ったんだよ。


全63話予定です



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