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12話

ゴールデンウィークも後半に入った


今日は先輩と家で映画を観る


「オムライス美味しい」


「先輩は卵料理が好きですね」


「そう?」


「はい、最近オムレツ、オムライス、茶碗蒸しとか


で、卵使った料理が多いですから」


「確かにそうかも、でも美味しいから仕方ない」


「ありがとうございます」


「こちらこそです」


そう言ってオムライスを頬張る先輩は気になっていた


ことを聞いてみる


「先輩、今日ホラー映画観るって言ってましたけど大


丈夫ですか?」


「だ、大丈夫だよ」


「僕はホラー映画苦手なんですけどねぇ」


「怖くて泣いても慰めてあげるよ」


「先輩こそ大丈夫って言ってますけど泣いてたら慰め


てあげますよ」


「私は泣かないもん」


と、そっぽを向いてしまったが映画を観ながらつまむ


たまに作ったクッキーを持って行ったらご機嫌になっ


てくれた






私、西宮彩音はホラー映画がかなり苦手だ、それなの


に、今日ホラー映画を観ようと提案したのはいつも余


裕ありげな水瀬くんの余裕のない姿を見たいからだ


(それに、水瀬くんは会ったばっかりの猫には、頭を撫


でたり、膝に乗っけたり、可愛いって言ってたのに、


最近いつも会ってる私のことは撫でてくれないし、膝


に乗っけてくれることもないし、可愛いとかもたま


に、しか言ってくれない、そんな水瀬くんにはホラー


映画を観せてお仕置きしなくちゃいけない)


そんな自分勝手な考えで始めた映画だったのだが、


映画が怖くてそれどころではなくなっていた、今日の


映画は彩音が持ってきたものだったし、すでに一回家


族で観た事ある映画だったので行けると思っていた。


ちなみに、彩音が家族でその映画を観た時、彩音はほ


とんど目をつぶっていたので内容を知っているはず無


いのだがそんなこと彩音は覚えていなかった。


(何この映画、怖すぎるよ、泣かないって水瀬くんには


言ったけど泣きそうだよ、でも、こんなに怖い映画な


ら水瀬くんもびびって余裕無くなってるよね)


そう思って隣を見てみるが、稜はあまりビビってる様


子がなかった。


(な、なんで、水瀬くんホラー苦手って言ってたじゃ


ん、何でそんなに余裕そうなの?)


それもそのはず、彩音が持ってきたのはホラー映画の


中でも比較的優しい映画だったからだ


もっとレベルの高いホラー映画を観させられ続けて苦


手意識がついた稜にとってはこのくらいのホラー映画


なら難なくみることができた


(この映画も確かに怖いところはあるけど、翔吾に観さ


せられてた映画に比べれば全然マシだな、それより先


輩大丈夫かな?さっきめっちゃ泣きそうな顔してたけ


ど)


稜の心配は当たっており、先輩は全然大丈夫じゃなか


った。


(もう無理、泣きそう、早く終わって)


彩音はとうに限界を超えていた。





「先輩大丈夫でしたか?」


映画が終わって、心配だった先輩の方を観てみると、


「………怖かった」


先輩は涙を流して泣いていた


「先輩やっぱりホラー映画大丈夫じゃなかったです


か?」


「……うん」


「ならなんで観ようとしてたんですか」


「だって、だって……」


「とりあえず、何か飲み物持ってくるので何がいいで


すか?」


「離れないで」


「え?」


「泣いたら慰めてくれるって言った」


「言いましたけど」


「だから頭撫でながら慰めて」


「頭撫でるんですか?」


「撫でて」


そう言って頭をこっちに寄せてきたので、そっと先輩


の頭に触れ撫でると、


「ん、ん〜、えへへ」


可愛らしい声を出して、目に少し涙を浮かべながら


笑顔でこちらを見てきた、先輩にドキッとしてしま


い、先輩の頭から手を話すと、


「あ、」


先輩がしゅんとしてしまったので、もう一度頭を撫で


ると、


「んふ〜」


また可愛らしい声を出した


(あの笑顔は反則だろ、あんな笑顔で見られたら誰でも


ドキッとしてしまうだろうな)


いまだドキドキする気持ちを抑えながらいつまで続け


ればいいのかわからないまま先輩の頭を撫で続けた。





あの後10分ほど先輩を撫でていたが、涙が止まり、何


やら嬉しそうな顔をしていたので撫でるのをやめた。


すると、またしゅんとしてしまったが夜ご飯の買い物


に行くと言うと自分も行くと言ったので先輩とスーパ


ーに向かっている。


「今日の夜ご飯は何にします?」


「うーんとね、親子丼がいい、あの卵プルプルのや


つ」


「いいですけどまた卵ですか」


「うん、卵使った料理好きだし、今日は良いことがあ


ったから私の1番のお気に入りメニューでいいことを増


幅させるの」


「今日はうちに来てからは先輩、ホラー映画観て泣い


てただけでしたけどなんかいいことあったんです


か?」


少し揶揄いを混ぜた言い方で尋ねると、


「むー、今日はそのホラー映画のおかげでいいことが


あったの」


ふん、と言いたげな顔で拗ねてそっぽ向いてしまっ


た。


「先輩、拗ねないでくださいよ、またプリン作ってあ


げますから」


「なら許してあげる」


(ちょろい、ちょろすぎる、この人詐欺に合わないか心


配だよ)


「むー、失礼なこと考えてる気がする」


「気のせいですね、で、何があったんですか?」


「意地悪な水瀬くんには教えてあげない」


また、そっぽ向いてしまった。





「うーん、やっぱり美味しい」


「ありがとうございます」


「これは毎日食べても飽きないよ」


「そんなに気に入ってるんですか?」


「うん、これは私が初めて食べた水瀬くんの料理だか


らね、私はこれに救われて今ここにいるんだから」


「大袈裟ですよ」


「ううん、あの日水瀬くんと出会って、この親子丼を


食べたから今の私があるんだよ、あの時水瀬くんが助


けてくれてなかったら、あの時水瀬くんの誘いに乗っ


てなかったら今の私はいないんだから」


「確かにそうかもしれませんね」


「うん、だから私はこの親子丼が1番好きなの」


(やっぱりこんなに喜んでもらえるのは嬉しいなぁ)


そう考えながら今日、朝観た天気予報を思い出す


「そういえば今日夜から雨が降るみたいなので早めに


帰った方がいいと思いますよ」


「そうなの、じゃあこれ食べ終わったら帰るよ」




そう思っていたのだが先輩が食べ終わるよりも早く雨


が降り出してしまった。


「あー、もう雨降ってきちゃってますね」


「ほんとだ」


「どうしますか?このまま待ってても止みそうにない


ですけど」


「傘貸してもらえる?多分今なら何とか帰れると思う


から」


「わかりました、なら送りますよ」


「いや、大丈夫だよ、雨降ってるし大変だよ」


「雨降ってる中1人で帰らすわけにもいかないので送ら


せてください」


「ならお言葉に甘えて」


「はい、じゃあ食器だけ向こうに置いときますね」


「わかった、玄関の方で待っ」


『ゴロゴロゴロ』


先輩の声を遮るように雷がなった


「うわ、めっちゃおっきい落としましたね」


そう言って玄関の方に行くと先輩は動いていなかった


「先輩?」


「……」


「先輩どうしました?」


「む、無理」


「はい?」


「水瀬くん、いかないで、私をほっていかないで」


そう言って掴んできた


「先輩どうしました?僕はどこにもいきませんけど」


「もうちょっとだけでいいから一緒にいて、私を1人に


しないで」


先輩は震えて、服を掴む力も強くなっている


「先輩落ち着いてください、いったん部屋に戻りまし


ょう」


これはまずいと思い一度先輩を部屋に戻すことにし


た。




部屋に戻りソファーに先輩を座らせ自分も隣に座ると


先輩の震えは止まったがまだ服を掴んでいた


「先輩大丈夫ですか?」


「う、うん、ごめんね、迷惑かけて」


「いえ、全然いいんですけど、それよりほんとに大丈


夫ですか?」


「大丈夫、ごめんね、私雷が怖くって、あんなにおっ


きい音初めてだったからびっくりしたのと怖かったの


で動けなくなっちゃって、1人になるのが怖かったか


ら」


「……」


「だからもうちょっとだけでいさせて、もう少しした


ら帰るから」


そう言った先輩はまた少し震えていた


(こんな状態の先輩を帰らすわけにもいかないなぁ、家


には誰もいないみたいだから1人になった時にまた大き


い雷がなったらどうなるかわからないし危険すぎるな)


「そんな状態の先輩を帰らせるわけにはいきません、


ほっとけません、なので今日はうちに止まってくださ


い、心配です」


「え、でも、いいの?」


「今先輩を1人にするわけにはいかないので」


「あ、ありがとう」


先輩は大粒の涙を流して泣いた、そんな先輩の頭を撫


でながら、


「大丈夫ですから、落ち着いてください」


「うん、ありがとう」


その後、先輩が泣き止むまで頭を撫で続けた。




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