11話
「電車混んでなくてよかったね」
「そうですね」
ゴールデンウィーク初日なので混んでいると思ってい
たが嬉しい誤算だ
「先輩すいません、ちょっとトイレ行ってきてもいい
ですか?」
「オッケー、ここで待ってるね」
そう言って先輩と離れトイレを済ませて先輩の元へ戻
ろうと思った時嫌な予感がした、その予感が当たらな
いことを願って急いで先輩の元へ戻ってが、
「君可愛いね、ひとり?1人なら一緒に遊ばない?」
「友達と来てますので」
「ならその友達も誘って一緒に遊ぼうよ、君みたいな
可愛い子と遊べること少ないから」
「結構です」
嫌な予感は当たっており、先輩はナンパされていた。
(そういえば、先輩が初めて家でご飯食べた日もナンパ
されてたな、やっぱ可愛いからなぁ、てか先輩めっち
ゃ不機嫌そう、早く戻らないとな)
そう思い先輩の元へ駆け寄り、
「先輩お待たせしました」
先輩を呼ぶと、こっちを振り向き、パァと笑顔で、
「水瀬くん」
と呼ぶと駆け寄ってきた
「すいません、お待たせしました」
「ううん、全然大丈夫」
そう言ってナンパ男に向かって、
「今日は2人で映画を観に行くのでごめんなさい」
と言うと、
「ちぇ、男持ちかよ」
そう言ってナンパ男は去っていった
「ごめんなさい、先輩は可愛いですし目立ちますので
こうなることを考えておくべきでした」
「か、かわいい」
「先輩?」
「ううん、大丈夫、それにもしもの時は水瀬くんが助
けてくれるでしょ」
「まぁ、頑張ります」
「なら大丈夫、それより早く映画館に行こ」
「はい」
「昨日のうちから予約しておいてよかったですね」
「そうだね、電車はあんまり混んでなかったけど映画
館は混んでたもんね」
「はい、いい席で観ることが出来てよかったです」
「ねー、楽しみ、感動する話だから泣いちゃうかも、
大泣きしてても引かないでよ」
「引きませんよ、それに僕が大泣きしてても引かない
でくださいよ」
「大泣きするの?」
「しませんよ」
「うふふ、大丈夫、大泣きしてても引かないから」
「あ、そろそろ始まりますよ」
「引かないでよ」
「引きませんよ」
そんなやりとりをしていると映画が始まった。
映画が終わった後僕は止まらない涙を止めるのに必死
だった。結果から言うと、その映画はとてもよかった
感動で涙が止まらなくなるくらいよかった。隣の先輩
を見てみると先輩も涙が止まっていなかった。
「あの映画めっちゃ感動したね」
「そうですね」
僕たちは映画館を出て猫カフェに向かいながらさっき
観た映画について話していた。
「特に主人公がヒロインと再会できたところに感動し
ました」
「そのシーン良かったよね、あと私は主人公がヒロイ
ンに秘密を打ち明けて、それでも一緒にいることを決
めたところが良すぎて涙止まらなかったよ」
「そのシーンもよかったですよね」
「それに私びっくりしちゃった、隣見たら水瀬くんす
っごい泣いてるんだもん」
「引かないでくださいよ、だってめっちゃ感動したん
ですから」
「引いてないよ、水瀬くんってあんなに泣くんだって
思ってびっくりしただけ」
「それって引いてません」
「ううん、新しい発見、水瀬くんは案外涙脆いってこ
とがわかったの」
「それいいことなんですか?」
「そうだよ、普段落ち着いてる水瀬くんのレアなとこ
ろを観れたのは私としては楽しかったよ」
「僕にとってはいいことじゃないですけど、まぁ先輩
が楽しいならよかったです」
「ありがと、あ、着いたよ」
「ほんとだ、こっちも楽しみですね」
「うん、早く早く」
「はいはいわかりました」
そう言って中に入って、
「いらっしゃいませ、予約なされてますか?」
「はい、2名で予約してた水瀬です」
「水瀬様ですね、確認出来ました、空いているお席へ
どうぞ」
「ありがとうございます」
「いつの間に予約なんてしてたの?」
「映画館が思ってたより混んでたのでその時に一様予
約しておいたんですよ」
「そうだったんだ、ありがとう」
「いえいえ、これくらい全然、それより何にしま
す?あ、今日はビーフシチューの予定なのでビーフシ
チュー食べると2食連続になりますよ」
「今日の夜ビーフシチューなの、楽しみ、私はカルボ
ナーラにする」
「僕はナポリタンにします」
「あ、ナポリタンもいいね」
「半分こします?」
「するする」
「すいませーん」
「はいお伺いします」
「ナポリタンひとつとカルボナーラひとつ、あと取り
皿2つお願いします」
「はい、かしこまりました、以上でよろしかったです
か」
「ねぇねぇ水瀬くん、私この猫ちゃんのクリームが乗
ってるやつ飲みたい」
「ならそれもひとつお願いします」
「かしこまりました、少々お待ちくださいませ」
そう言って定員さんが戻って行ったあと、
「これめっちゃ可愛いね」
そう言ってメニューを見ている先輩を見て、
(この人は飲み物が運ばれて来たらもったいなくて飲め
ないとか言うんだろうな)
「どうかした?」
「いえ、何でもありません」
その後話している間に料理が来て、
「先輩ナポリタン半分あげますね」
「私もカルボナーラ半分あげるね」
「ありがとうございます」
「一回に二つの味を楽しめてお得お得」
そう言って食べ終わったあと、
「お待たせしました」
先輩の飲み物が運ばれてきた
「か、可愛い〜」
そう言って写真を撮りまくった後、案の定
「どうしよう水瀬くん、可愛すぎて飲むのがもったい
ないよ」
そう言って飲み物とにらめっこしてる先輩が可愛かっ
たので、
「パシャ」
「あ、写真撮ったね」
「飲み物とにらめっこしてる先輩が可愛かったので」
「な、ならまぁいいけど」
その後何とか飲み終わった先輩は
「さぁ、猫ちゃんおいでおいで」
猫の群れへと向かっていった
「先輩の人気者ですね」
「水瀬くんの周りにもいっぱいいるじゃん」
「先輩ほどではありませんよ」
隣に座っている先輩は猫からも人気なようでたくさん
の猫に囲まれてとても幸せそうにしている。
「水瀬くんの膝にはずっとおんなじ猫がいるね」
「そうですね、最初からずっとここにいるんですよ
ね」
「なんて名前の子かな?」
「さっき定員さんに聞いてみたらミルクって言うらし
いですよ」
「ミルクか、水瀬くんミルクティー好きだし、似たも
の同士なのかもね」
「そうなのか?」
そう言って撫でて見ると、
「にゃー」
「返事した、水瀬くんの膝が好きなんだね」
「そうなのか?可愛いなぁ」
撫でていると膝をすりすりしてきた、すると、
「あら、すごいですね、ミルクは普段人の膝の上で寝
たりはしないんですけどね」
そう言って定員さんがびっくりしていた。
「そうなんですか?」
「はい、撫でさせたりはするんですけど人の膝の上で
寝てるのは初めて見ました、お兄さんすごく好かれて
ますね」
「お前はここが気に入ったのか?可愛いなぁ」
「ねぇ、私もその子撫でてもいい?」
「どうぞ」
「じゃあ、失礼します」
そう言って先輩がミルクを撫でようとした途端、
「バシ」
ミルクが先輩の手に猫パンチを入れた
「あれ?私嫌われてる?」
「あら、お兄さんは、自分のものだって言ってるみた
いですね」
そう冗談混じりに定員さんは言って注文を受けに行っ
た。
「何だ?そんなに気に入ってくれたのか、お前は可愛
いなぁ」
「にゃー」
と言ったあとミルクは先輩の方を見て
「にゃー」
と言った。
(な、あの子、水瀬くんに撫でてもらいながら何度も可
愛いって言われて膝の上で寝てるからって、羨ましい
それに挑発までしてくるなんて、私だって、私だって
水瀬くんの膝で寝たいし、可愛いって言われながら頭
撫でてもらいたいのに〜)
その後先輩は終始ミルクのことをにらんでおり、ミル
クはそんな先輩に何度か「にゃー」と言っていた
「今日は楽しかったですね」
「うん、楽しかった」
猫カフェを出て家に帰り夜ご飯を済ました後、いつも
より遅くなってしまっていたので先輩を家まで送って
いる。
「映画は感動しましたし、猫カフェは楽しかったで
す」
「映画面白かったね、猫カフェ可愛い猫ちゃんがいっ
ぱいして楽しかった、ミルクは嫌いだけど」
「あはは、なんか先輩最後の方ずっとミルクのことに
らんでましたもんね」
「ふん」
「今日は誘っていただいてありがとうございました、
楽しかったです」
「なら、また誘ってもいい?」
「はい、また一緒に遊びに行きたいです」
「あ、ありがとう」
「あ、着きましたよ」
「送ってくれてありがとう、今日は楽しかったよ、ま
た明日からもよろしくね」
「こちらこそよろしくお願いします」
こうして2人の初めてのデート(?)は終わった。
家に入ったあとベットの上で私は、
(今日の水瀬くんかっこよかった〜、私服がかっこよか
ったし、ナンパされた時はせっかく楽しい気分だった
のに台無しになっちゃったかと思ったけど、水瀬くん
急いで戻ってきてくれたし、それに可愛いって言って
くれた、ナンパの人から可愛いって言われた時はそん
なに嬉しくなかったのに、水瀬くんに言ってもらえる
ととっても幸せな気分になれる、それに映画も面白か
った、とっても感動して涙が止まらなかった、それに
水瀬くんあんなに泣いてると思わなかった、普段と違
った水瀬くんを見れて嬉しかった、猫カフェも楽しか
った、猫のクリーム飲むのもったいなかったなぁ、そ
れに眺めてるとこ写真取られちゃったし、変な顔して
ないよね?でも可愛いって言ってくれて嬉しかった、
猫はめっちゃ可愛かったなぁ、いっぱい集まってきて
くれたし、でも、でもでもでもでも、ミルクは羨まし
い、水瀬くんの膝の上で撫でられて可愛いって言われ
て、私だって水瀬くんに頭撫でられて可愛いって言っ
てもらいたい、水瀬くんと出かけるのは楽しかった
なぁ、また一緒に遊びましょって言ってくれたし、今
日は最高の1日だったな)
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