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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
84/326

84.キャラが渋滞しております。

私が、ビックエンジェルの装備品を格納して、出現させた“ペットボトルの水”で頭や顔に浴びた血を洗い流していくなか、


「おお―ッ!!」


「倒したぁッ!」


「マジかー?!」


「ありがとぉーう!!」


などといった声が、[天守]や[小天守]から聞こえてきました。


避難している人々による喝采や感謝に、琴音(ことね)が〝エッヘン♪〟と得意げになります。


普段なら図に乗り過ぎないよう注意するところですが、死にかけながらも頑張ってくれたので、優しさでスルーしてあげましょう。


正直、妹の協力がなければ、勝てなかったに違いありませんからね。


私が、[アイテムBOX]から新たに出したタオルで顔などを拭いていたら、


「いやいやいやいや、素晴らしかったねぇー、君たち!」


赤髪セミロングさんが近づいてきました。


その後ろには、白銀ショートヘアーさん・スポーツ刈りさん・青髪ロングストレートさんが、見受けられます。


「あ、どうも、助けていただいて、ありがとうざいます。」


頭を下げる私に続いて、


「ありがとーございました!!」


琴音も〝ペコリ〟したのです。


「なんの、なんの!」

「気にしないでくれたまえ!!」


赤髪さんが笑顔になり、


「二人は、姉妹かい?」


と、質問してきました。


「ああ、はい、そうですが…、皆さんは??」


答える流れで窺ってみたところ、


「お!」

「よくぞ聞いてくれた!!」

「ボク達は……、アニメ“レイヤー×スレイヤー”をこよなく愛す、同志(・・)なのだよぉ――ッ!!!!」


赤髪セミロングさんが瞳を輝かせながら告げてきたのです。


「はぁ…?」


意味が分からず首を傾げた私と妹に、


「え?!」

「なに、そのリアクション……。」

「もしかして、知らないの!?」

「熱狂的なファンが割といるというのに??」


赤髪さんが、半ば愕然としました。


白銀さんに、


「んー、…、まぁ、深夜枠での放送だからねぇ。」

「当然の反応だと思うよ。」


(さと)され、


「うぅ~ん。」

「それならば……。」

「私たちが、よりもっと、普及活動に力を入れていくしなかいわね!」

ウィ(・・)チューバ―として!!」


宣言した赤髪セミロングさんが、


()に戻っていますよ。」


青髪さんにツッコまれて、


「は!」


フリーズしちゃったのです。


…………。


なんだか、変な空気になってしまったので、


「男性の方々は“武闘家”さんと“神官”さんですよね。」

「女性陣は…?」


話題を変えてみたら、


「私は“騎士”よ。」


白銀ショートヘアーさんが述べて、


「ふ、ふ、ふ、ふ、ふー。」

「ボクは、何を隠そう……、“勇者”なのさぁ――ッ!!!!」


赤髪さんがドヤッてきました。


勇者(・・)??)

(そんなジョブがあるの???)

(ひょっとして、アニメの設定なのかな????)

(この人…、“美人なのに残念”なタイプなのかも。)


そう思っていたところ、


「なんだい?」

「その、“頭の痛い子”を見るような目つきは。」


“自称・勇者”さんに悟られてしまったのです。


【武闘家】である“日焼けマッチョ”さんが、


「まぁ、しょうがないだろう。」

「特殊だからなぁ。」

「お前以外に、そのジョブになっている人は、いないみたいだし。」


助け舟を出してくれました。


「成程……。」


赤髪セミロングさんが頷き、


「仕方ない…。」

「ボクが本当に“勇者”である事を証明してくれよ―うッ!!」


ご自身の[メニュー画面]を開いたのです。


赤髪さんが、


「個人情報だから、〝チラッと〟にしてくれよ?!」


しゃがみながら念を押してきました。


「約束します。」


了解した私が、琴音と一緒に、[画面]を覗き込んでみたら、確かに【勇者】と表記されていたのです―。


【レイヤー×スレイヤー】は、本編における“架空の作品”です。


著者が無知なだけで、そのような[アニメ・漫画・小説・ゲーム]などが実在している場合は、すみません。


あしからず。


2021.12.30現在。


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