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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
83/326

83.力を合わせて

「ぐぅッ!」


6M級の天使が呻きます。


お腹に刺しているラージソードを、


「デ、ス、ト、」


一文字ずつ、左へと進めていった私は、


「ロォ――イッ!!」


おもいっきり振りぬいたのです。


「があッ!」


ブシャアアアア―ッ!!


ボスキャラが流血しながら横倒れになっていき、左側面を〝ドンッ!〟と地に打ち付けました。


「ライト・ボール!!」


その腹部に、妹が【光の玉】をヒットさせたことによって、


「がはッ!」


相手が仰向けになったのです。


まさに、“傷口に塩を塗る”行為であります。


悪魔の所業とも言えるでしょう。


姉が若干ひいている事は内緒です。


なんにせよ、ビッグエンジェルに(とど)めを刺しておかねばなりません。


厄介な存在なので。


「ぐぬぅ~ッ!!」


ボスが、歯を食いしばって、上体を起こしてきます。


「マジっすか……。」


私は、敵のタフさに唖然としつつ、呟きました。


東側の四人組が、天使の兵隊らとバトルになっているなかで、赤髪セミロングさんの剣から“白い電流”が発せられていきます。


「ストラーッシュ!」


赤髪さんがソードを左から右へと払ったところ、幅10㎝×長さ4Mぐらいの“白雷(びゃくらい)”が、横向きで放たれ、


ズバァア――ンッ!!!!


6M級天使の背中に直撃し、


ビリビリビリビリィーッ!!


またしても感電させたのです。


なんだか、[ダ○の大○険]における“ア○ン”的な必殺技が彷彿とさせられますが、あえて触れないでおきましょう。


ズドォオンッ!


再び仰向けで倒れたボスキャラを見届けた赤髪セミロングさんに、


「じゃ、あとは、よろしくー!!」


声を掛けられました。


親玉を屠る好機が訪れたものの、察したらしい子分らの10人ほどが、阻止しようと、こちらに飛んできます。


私は大剣を縦横無尽に振るいまくり、琴音(ことね)は【ライト・ボール】を乱射して、それらを死滅させたのです。


私が、ボスの左顔あたりに回ってみたら、


「ぐ、う、うぅ~ッ。」


虫の息になっていました。


「琴音、“恩恵”を。」


促した私に、


「うん!」


応じた妹が施してくれました。


「すぅ―、はぁ―。」


深呼吸した私が、両手で握りしめて高々と掲げたラージソードで、


デストロイ(破壊)ッ!!」


相手の頸動脈(けいどうみゃく)を、勢いよく斬ったところ、


ブシュウ――ッ!!!!


返り血をモロに浴びました。


前回とは違う形で、私の目の前が赤く染まっていくなか、敵が粒子になっていき、


『あなたのレベルが上がりました。』

『あなたのレベルが上がりました。』

『あなたのレベルが上がりました。』

『あなたのレベルが上がりました。』

『あなたのレベルが上がりました。』

『あなたのレベルが上がりました。』


インフォメーションが六連続で脳内に響いたのです。


大きめの装備品が遺された場所に、(いびつ)な“金の塊”が現れています。


私の[イベントリ]に自動的に納まったので、チェックしてみたら、“40g”の重さである事が判明しました。


大将を失って逃げようとするエネミー達を、四人組が追撃していきます。


私は、大剣を、自身の背中に添えました。


それによって、ソードの周りで淡く光りながら出現した(さや)に納まるのです。


逆に、剣を少し抜くと、これまた同様に光った鞘が、消えていきます。


ま、私からは見えないので、目撃したことのある琴音に教えてもらったのですが…。


弟の利勇(りお)によれば、〝鞘は自動的に転送されているんじゃないか?〟との事でした。


私には、この仕組みが、イマイチよく分かりません。


どうやら〝ファンタジーならでは〟みたいです。


それはそれとして。


私は、取り敢えず、ビッグエンジェルの武器と防具を、[アイテムBOX]に回収することにました―。




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