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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
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82.起死回生

|エンジェル・ソルジャー《天使の兵隊》が、“レイピア(細身の剣)”を首から引き抜いたところ、妹が横倒れになりました。


琴音(ことね)ッ!!」


慌てる私に、別の天使が、レイピアを振り下ろしてきます。


〝ハ!〟として、“ラージソード”を横にして受け止めた私の左肩が、


ズキンッ!!


と、痛んだのです。


早いとこ妹を助けにいきたいというのに、3~4人の天使までもが襲ってこようとしております。


「先に、ちっこい方を殺しておくのが良さそうだな…。」


ボスキャラの言葉に、琴音に群がろうとしていたエンジェル達が、〝スゥー〟と、どきました。


6M級のエンジェルが、左の人差し指を、妹に向けます。


あれ(・・)を阻止したくとも、天使の兵隊らの攻撃を防ぐので精一杯になっている私には、不可能です。


このままでは琴音が死にかねません。


ボスが、確実に“ロックオン”した模様です。


私の焦りがピークに達していきます。


そこへ、


「ストラーッシュッ!!」


との女性の声が、東から聞こえてくるなり、幅10㎝×長さ4Mくらいの“白い雷”のようなものが、弓なりに飛んできて、


ズバァア――ンッ!!!!


大きな天使の左側に当たったのと同時に、


ビリビリビリビリィーッ!!


と感電させました。


それによって、両膝を地面に着いて項垂(うなだ)れたボスエンジェルが、〝ビクン! ビクン!〟と痙攣しています。


更には、左の肩から膝あたりまでに掛けて傷を負い、流血しているみたいです。


不測の事態に、子分の天使たちが、親玉に注目しました。


無防備になったエネミーらに近づいてきた四人組が、


風斬(ふうざん)!」


ライト・ボール(光の玉)!」


ファイア・ボール(火の玉)!」


様々なスキルや魔法を放ちます。


どうやら、あちらで戦っていたエンジェル達は、既に片付け終えているようです。


こちらの全兵隊が、4人に迫っていきます。


スポーツ刈りの“日焼けマッチョ”さんが三節棍(さんせつこん)を振り回しながら、


「今のうちに、その子に治癒を施してあげな!」


と、促してきました。


私は、四つん這いで、妹の側に寄ります。


「ひゅー、ひゅー。」


琴音は瞳孔が開いた感じで呼吸していました。


私が出現させた[体力回復ポーション]を、無理矢理にでも飲ませたところ、


「ぷはぁ――ッ!!」


妹は息を吐きながら上体を起こしたのです。


「よかったぁー。」


安堵して正座した私に、


「お姉ちゃん、ありがとう。」


お礼を述べた琴音が、


「回ふく!」


左肩の怪我を治してくれました。


それぞれに武器を手に取った私たちが立っていきます。


ボスキャラが顔を〝スッ〟と上げました。


おそらく、“痺れ”が解けたのでしょう。


「せん光!」


妹が、すぐさま視力を奪います。


続けて、


「おんけい!」


と発しました。


ビッグエンジェルとの間合いをダッシュで詰めた私は、大剣の平たい方を横にして、


デストロイ(破壊)!!」


下腹部を突いたのです―。




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