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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
79/326

79.チャンスとピンチと・・・・。

「ライト・ボール!!」


琴音(ことね)が発射した直径20㎝の【光の玉】が、


ボンッ!


[ボスキャラ]の背中に命中しました。


こちらに向きを変えた相手が、私たちを認識するなり、迫ってきます。


子分に違いない120人の天使も後ろから続いて来ている模様です。


既に落ち着きを取り戻している妹が、


「せん光!!」


と、唱えました。


現在のこれ(・・)の範囲は、前方・左方・右方・上方の、各10Mとなっています。


効果のある時間は“10秒のみ”と、相変わらずです。


それでも、敵の半数以上の視界を奪えたので、悪くはありません。


デストロイ(破壊)!」


私が右から左へと払った“ラージソード”によって、ボスキャラの右脛当てに、


ガシィンッ!!


亀裂が生じました。


私の両手には、ある程度、肉をも斬った感触があります。


「ぐぅッ!」

「人間の分際で!!」


6Mのエネミーが両目を瞑ったまま怒りを露わにしました。


「え?!」

「喋った?」


目を丸くする私に、


「そこかぁあッ!!!!」


“ロングソード”を振り下ろしてきます。


「デ、デストロイ!!」


こちらは、横にした大剣を、突き上げました。


ガツンッ!!!!


「きゃッ!?」


パワー負けした私は倒れてしまい、右側面を地に叩き付けられたのです。


「お姉ちゃん!」


【閃光】に巻き込まれていなかったエンジェル達に、【ライト・ボール】を撃っていた琴音が慌てます。


「大丈夫!!」

「“恩恵”を、もう一度かけて!」


催促する私に、妹が、すぐさま対応してくれました。


立ち上がった私の左から、視力が戻ったらしい[ボス天使]が長剣を払ってきます。


「デストロイ!」


こっちは反対側からソードを振るったのです。


ガシィイ――ンッ!!!!


今度は、さっきよりも踏ん張っていたので、転ばずに済んだものの、両腕が衝撃で弾かれてしまいました。


構え直した敵が、私を刺しにきます。


しかし、ムキになって冷静さを失っているのかモーションが大きかったので、しゃがんで躱せました。


屈伸の反動を利用した私は、バネのようになりつつ、


「デストロォ―イッ!!」


ラージソードで弧を描くみたいにして、ボスの伸びきっている右腕に、


ガギンッ!


と当てたのです。


「くッ!!」


呻いた[6M級エンジェル]の籠手から血が流れています。


(いけそう!)


波に乗りかけたところ、ボスキャラが左の人差し指で、私を“ロックオン”したのです。


きっと、ループ以前に私の額を貫通した【ビーム】を放つ気なのでしょう。


【恩恵】が施されているとはいえ、戦士は、そこまで素早くありません。


避けきれない可能性が高そうです。


私の脳裏に()がよぎります。


(再挑戦したのは無謀だったかも…。)


絶望していく私の右から、


「|エクスプロージョン・ボール《爆発の玉》!!」


直径20㎝程の[オレンジ色の球体]が飛んできて、


ボォオンッ!


エンジェルガールが被っている銀仮面の“左頭部”を爆破したのでした―。




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