75.地元でのバトル⑦
[ラージソード]で、エネミーらを、次々と斬ったり刺したりしていきます。
その間に、【恩恵】の効果が失われたので、妹に掛け直させました。
私の目の前に残っているのは、天使と仏が一体ずつです。
「デストロイ!!」
大剣を右斜め下から左斜め上へと払い、エンジェルガールを消滅させたタイミングで目眩が起きました。
(え?!)
(魔力切れ??)
(まだ二回しか発動していないのに?)
グラついて、ソードを杖代わりにした私に、仏が突進してきます。
「くッ!」
不測の緊急事態に焦ったところ、
「せん光!!」
妹のナイスフォローによって、敵が目を眩まされたのです。
私は、落ち着いて、仏の胸元を剣で突きました。
それでも葬り去れなかったので、やや〝フラフラ〟しながら、ラージソードで首を刎ね、粒子へと変えたのです。
出現させた[魔力回復ポーション]を飲みつつ、
(“戦士”は魔力が低いって事かなぁ??)
(だから、あの“図体デカ男”は、乱発していなかったのか…。)
(ま、結局、切らして、気絶してたけど。)
そんな事を思っていたところ、自分のノルマを達成していた琴音が、小走りで近寄って来て、
「どう!? お姉ちゃん!」
「わたし、守ってあげれたでしょ!!」
ドヤッてきました。
(むぅ~ッ!)
若干イラつきはしましたが、相手は小学生なので、左手で頭を撫で回してあげます。
愛と憎しみを込めて。
いえ、姉の私にあるのは、愛情のみですわ!
可愛い妹に対して、憎悪など抱いておりませんのよ!!
そうですとも。
おほほほほ♡
「そっちも片付いたみたいね。」
紗凪さんの声で我に返りました☆
「ここからは、俺達の担当区域を巡回するが……、すぐにでも出発するかい?」
穂積さんに、
「あ、はい、お願いします!」
頭を下げた流れで、
「出来れば、私と琴音を先頭に陣取らせてください!!」
と、頼んだのです。
「少しでもレベルを上げておきたいってことだね。」
「いいよ、協力してあげる。」
理解が早い真守さんの一言で、皆さんがサポートに徹してくださる運びとなりました…。
次男家/長女家/次女家を含め、パトロールしていきます。
戦闘を重ねるごとに、琴音は、どんどん慣れていきました。
これなら、私が指示を出さなくても大丈夫そうです。
ただ、【閃光】が通用しない植物系や、あまり意味をなさない獣系には、やばそうな場面が、ちょいちょいありました。
そこら辺は、紗凪さんたちも、すかさず助けてくださったので、妹は難を逃れております。
本人は“LV.9”なので、大した心配は要りませんが。
全体的には順調に進んでいったものの、しばしば、女性陣がプチパニックに陥ってしまいました。
ええ。
ご想像どおり。
虫の群れに何度か遭遇したのです。
この所為で、琴音もまた、
「しぇんきゃう!」
と、噛みまみた《・・・・・》。
まさに姉妹だなと実感させられます。
血は争えません。
そんなこんなで、およそ一時間半かけて人外を殲滅した結果、私のレベルが“4”になりました。
琴音は一つもUPしていませんが、戦い方を覚えたので、“最神シスターズ”における最初の収穫としては、まずまず、でしょう―。




