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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
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56.大飯店でのバトル③

13秒が経ち、“トラバサミ”が〝スゥー〟と消えました。


「後悔させてやんぞッ!!」


左の脛&ふくらはぎと左脇腹から、やや流血しているアマチュア相撲レスラーが、〝ズン ズン〟と、マッシュ―ブロック及びバーバースタイルに近づいていきます。


そこを、


ランドマイン(地雷)!」


マッシュ―ブロックが発したことにより、坊主頭の右足元で、


ボンッ!


と爆破が起きたのです。


「あー、やっぱ、むこうの方がレベルが上だから、この程度かぁ。」


マッシュ―ブロックが残念そうにします。


「ぐぬぅ~ッ!」


呻く巨漢を見てみたら、右の、スニーカーやジーンズの裾が無くなっており、足が焦げていました。


おそらく、“トラッパー(罠師)”のマッシュ―ブロックより弱い相手であれば、右足を吹き飛ばせていたのでしょう。


【|レッグホールドトラップ《虎挟み》】といい、【ランドマイン】といい、私との戦いで使用しなかったことに感謝です。


どちらも、それなりに痛そうなので…。



私は、ミツル君と、二人の間に、〝スッ〟と割って入りました。


そこから、“図体デカ()”に向かって、


「閃光!」


と、唱えたのです。


これで、私の後方に居るマッシュ―ブロック&バーバースタイルは、視力を奪われずに済みます。


「ナイス!」


私に声を掛けたマッシュ―ブロックが、


フィクス(固定)!」


床を隆起させて、五厘(ごりん)刈りの、両方の膝下を固めました。


すかさず、バーバースタイルが駆けてゆくも、


デストロイ(破壊)!」


危険を察知したアマチュア相撲レスラーが、モーニングスターを突き出したのです。


「くッ!」


バーバースタイルが右へのサイドステップで逃れたところで、


「あッ?!」


坊主頭が〝ドスンッ!〟と尻餅を着きました。


「これは?」


私が疑問に思っていたら、巨漢の顔先に[魔力回復ポーション]が出現したのです。


少なからず痙攣しているミツル君が、それ(・・)を手探りで掴もうとしたところ、


「させるかッ!」


一気に間合いを詰めたバーバースタイルが左足で“小瓶”を蹴り上げました。


「てめぇッ!!」


図体デカ男がモーニングスターを払おうとするも、それより速くバーバースタイルが短剣で右肩を刺したのです。


「ぃぎッ!」


【閃光】がタイムリミットになり、五厘刈りが目を開きました。


「お前、“魔力切れ”起こしてんだろ?」


そう推測したバーバースタイルの右手首を、左手で〝ガシッ!〟と握った敵が、そのまま〝メキメキィッ!〟と絞めていきます。


「くッ!」


バーバースタイルが苦しみながら抜いたダガーを、アマチュア相撲レスラーの顔めがけて振り下ろそうとしました。


しかし、これより先に、頭突きを腹部に〝ドンッ!〟と当てられてしまったのです。


「うぐッ!」


バーバースタイルがヨロめいたタイミングで、【フィクス】の効果が失われてしまいました。


「恩恵!」


ダッシュした私は、坊主頭の左前腕(ぜんわん)に、薙刀の柄を、


バシィンッ!!


と叩き付けたのです。


この結果、


「いッ!」


ミツル君が手を放しました。


私とバーバースタイルが後退りして、相手との距離を取ります。


そんな私たちの後ろから、


「あと40秒ぐらい粘れば、そいつは気絶するよ!」


マッシュ―ブロックが述べたのです。


「じゃあ、俺は左から攻撃するから、そっちは右を頼む。」


提案してきたバーバースタイルに、


「あの!」

「刺すのは、もう、()めてください。」

「これ以上、人を(あや)めてほしくないので。」


そのように伝えたところ、


「誤解があるみたいだが…、俺たちは、一度たりとて、人間の命を奪った事はない。」

「暴虐の限りを尽くしてきたのは、あのデカブツだけだ。」


と、説明されました。


「そうなんですか??」


訊ねる私を、


「詳しい話しは、この戦いが終わってからにしよう。」

「今は、アイツに集中してくれ。」


バーバースタイルが促します。


「分かりました。」


頷いた私は、武器を構え直すのでした―。




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