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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
53/326

53.大飯店でのバトル①

黒色を基調とした長袖アロハシャツ&ジーンズに黄色いスニーカー姿のミツル君が〝ズン ズン〟と近づいてきます。


毎度のパターンで、


「閃光!」


からの、


「恩恵!」


を発した私が、攻撃すべく走り出したところ、モーニングスターを、横に、斜めに、〝ブン!ブン!〟と振り回されてしまったのです。


一時的に目が見えなくなったなかで、間合いを詰めようとする私を牽制しているのでしょう。


迂闊に懐へと飛び込めなくなった私は、左側に在る椅子を掴んで、右斜め前へと放りました。


床に〝カンッ!〟とぶつかった音に、相手が反応します。


(今がチャンス!)


再度、駆けていったら、


デストロイ(破壊)!」


と、発したアマチュア相撲レスラーが、私の眼前で、上から〝ブオッ!〟とモーニングスターを叩き付けてきたのです。


「!!」


バックステップで躱そうとしたら、体勢を崩して、尻餅を着いてしまいました。


その両足の(そば)に、


ドゴンッ!!


とモーニングスターが当たり、床を少なからず陥没させたではありませんか。


血の気が〝サァーッ〟と引いた私は、そのままの姿勢で後退(あとずさり)りしていきます。


おそらく、顔面蒼白になっている事でしょう。


「外れたか…。」


“図体デカ()”が構え直しました。


立ち上がって呼吸を整えた後に、〝ジリ ジリ〟と歩を進める私は、


(あの時の“ボス(ねずみ)”に比べたら大したことない! …はず。)

(絶対、いける!)

(弱気になるな!!)


そう自分に言い聞かせ、意を決して、ダッシュしたのです。


右から左へと払われるモーニングスターを、身を低くして逃れつつ、左脇腹に薙刀の柄を〝バンッ!〟と、くらわせました。


「ぐッ!」


五厘(ごりん)刈りが呻きながらも、動きを止めず、左斜め上から右斜め下へとモーニングスターを振るってきます。


(やばッ!!)


頭から左方へと跳んだ私は、〝ズザザーッ〟とスライングしました。


「いつつぅ~ッ。」


私が再び立ったところで、【閃光】が終了したようです。


「お! 見えるようになった。」


瞼を開いた相手が、


「お前、結構やるな。」

「……、どうだ? 俺の部下になんねぇか?」

「毎日、タダ飯、食わせてやるぞ。」


と、勧誘してきました。


「遠慮させてください。」


当然、お断りします。


すると、


「じゃあ、しょうがねぇな。」

「死んでも恨むなよ!」


ミツル君が威嚇してきたのです。


私は、


「閃光!」

「恩恵!」


この二つを発動しました。


しかし、勝てるかは不明です。


【アサシン】のように“探知”していたり、【シーフ(盗賊)】みたいに“嗅覚”と“聴力”を高めている訳ではなさそうなのに、攻撃が割と的確な感じなので。


ただ闇雲なだけの可能性もありますが、()が優れている印象も受けます。


いずれにしても、厄介な敵に違いありません。


そんな巨漢めがけて、改めて突進していくのでした―。




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