5.襲撃
唐突ですが、私のお家は、街の中心より東に在ります。
その敷地内の西側がお庭で、東側が家屋となっており、門や玄関は南向きです。
ま、「だから、どうした」と言われれば、それ迄ですが…。
さて。
定刻になり、妖魔の類が門を通るのと共に、天使は西の、仏は北の、塀を越えてきました。
連中が何処から出現しているのかは不明ですが、まるで「時は来た それだけだ」と言わんばかりです。
あくまで私のイメージですけど。
いずれにせよ、それらが、家屋の西側に位置する縁側へと進んできます。
真っ正面の天使グループは別として、妖魔や仏は、侵入しやすそうな場所を察しているのか?人間を感知しているのか?或いは、その両方か??
詳細は分かりませんが、距離を詰めてきているのは確かです。
魔物サイドは、“ゴブリン”を筆頭に、ドラ○エに登場する“ミニデー○ン”の全身が黒くなっているみたいなのと、“油すまし”のようなものが、4匹ずつの計12匹います。
“天使”は男女2人ずつの合計4人で、どれも、目の部分にだけ穴が開いている銀仮面を装着していました。
どうやら、頭上に〝天使の輪〟は無さそうです。
お地蔵さんっぽい仏は4体ですが、石ではありません。
こちらは、全身が黄土色でした。
ミニデー○ンは蝙蝠と思しき羽で、天使は翼で、仏は天衣で、宙に浮いています。
天衣というのは、いわゆる〝羽衣〟でして、天人や天女が纏う代物だという事を、私は後々になって知りました。
検索エンジンにて。
ともあれ、奴らを視界に捉えた私の脈が、
ドッドッドッドッドッ
と、加速していきます。
それはもう、[ジョ○の奇妙な○険]かのように。
庭で、それぞれを認識した人外どもが〝ピタッ〟と動きを止めました。
一瞬だけ睨み合うも、我先にとばかりに私達めがけて走ってくるではありませんか。
それを見た親族が、
「何だ、あれ?!」
「ひいぃッ!!」
とパニックに陥っていきます。
私は、皆の前に出て、薙刀を構えました。
自分の人生で使ったことは一回もないんですけどね。
もう少しで縁側に届くといった所で、20数の敵が、
バチィインッ!!
と、弾かれました。
そう!
【結界】の効力です!!
「おおーッ!」
我ながら驚いていたら、体勢を立て直したエネミーたちが、再び突撃してきたのです。
しかぁ―しッ!!
我が鉄壁は崩れませぇん!!!!
「フフフフフッ。」
「もう、前回のように情けない私ではないのだよ。」
厨二心MAXの私は、“碇ゲン○ウ指令”のように眼鏡(伊達)の中心を、左の中指で〝クイッ〟と押しました。
ちなみに、私がメガネを掛けるのは、勉強であれ、ゲームであれ、本気になった証であります。
これによって、我が眠りし力が解放されるのです!
自分の中での設定なので、そっとしておいてください。
この件は隅にでも置いとくとして…、私は、眼前のモンスターらを倒すべく、いろいろと試してみるのでした―。