4.自分に出来ることを
私が【巫女】を選んだのには、もう一つの理由がありました。
それは…、【結界】なるスキルだか魔法だかが使えるからです!
ザクッとした情報によれば、
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名前:
ジョブ:巫女
レベル:1
体力:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
魔力:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
攻撃力:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
防御力:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
素早さ:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
光魔法:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
回復魔法:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
補助魔法:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
結界:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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と、なっております。
一つ一つを指先でタッチすると、説明が書かれているページに移りました。
で、【結界】の項目には、
※屋根付きであれば可能
と記載されていたのです。
つまり、
(家ごと守れるかもしれない。)
との考えを抱いたので、チョイスしてみた次第であります。
ちなみに、名前は後でも記入できるそうです。
本名であろうとなかろうと。
それはそれとして。
緊張しながらも部屋を出た私は、颯爽と階段を下りていくのでした…。
広間に行ってみたところ、親族が横長の“イベントリ”に目を通している最中でした。
誰かしらが私に贈ってくれた“琥珀色のブレスレット”からは縦長で出現するので、別物であろうことは疑いようがありません。
ま、方や〝人間を滅ぼす〟みたいな主旨でしたし、こちらは〝それを阻止する〟と述べていたので、当然でしょう。
ただ、プレゼントの主が、何処のどなたなのか不明な点に、少なからず不安を感じてしまいます。
もしや、某・時をかけたりかけなかったりする女子校生の物語みたいに、未来人が係わっているのでしょうか?
だとしたら…、それって……、ロマンスの、よ・か・ん♡?
ごめんなさい、脱線しました。
元に戻しましょう。
右手に薙刀を持っている私に気付いた弟の利勇が、
「姉ちゃん、何ソレ?」
と、聞いてきました。
彼は、小6から中1になる途中の12歳です。
身長は153㎝くらいでしょう。
髪の毛は短めのツンツン頭にしています。
更には、小4から小5になる妹の琴音が、
「どうしたの?」
と続きました。
10歳である彼女は、背丈が142㎝ぐらいで、腰あたりまで伸ばしている髪をポニーテールしています。
あと20秒ほどでPM16:00になりそうだったので、情報を提供している余裕などなく、それらを右から左へ受け流した私は、急ぎ結界を張ったのです。
「取り敢えず、皆、絶対に外には出ないで!」
「ここからは、私が何とかするから!!」
〝キリリッ☆〟と、まぁ、かっこつけてはみたものの、はっきり言って自信はありません。
だって、そうでしょ?
相手は、魔物だの、天使だの、仏だの、といった、人外ですし…、それに対して私は、生まれてこのかた戦闘の経験など一度も無い、ごく普通のJKなんですから。
正直、逃げたくなってしまいます。
それでも、大好きな最神一族を失わずに済むよう、深呼吸して、覚悟を決める私でした―。