313.モンサンミシェル奪還戦⑥
“魔王”は[死神の鎌]みたいな武器を大雑把に振るっています。
聡真くんによれば[デスサイズ]というらしいです。
まぁ、それはさておき。
“ボスキャラ”を目指す私達を、何体かのワイバーンが邪魔してきます。
これらを倒しつつ進んでゆく我ら親族一同です☆ミ
そうして、“ボス”に近づいた頃には、既に【挑発】の効果が切れていたようで、先程の“男性騎士さん”などが【直径4Mのビーム】によって倒されていました。
このため利勇が「ちょう」と【スキル】を扱おうとするも、一瞬だけ早く魔王に【直径50㎝の光線】を放たれてしまったのです。
おさらいとして、計八本であります。
ちなみに、それらは円状です。
こうした【ビーム】が、“葵月ちゃん”と“月媛ちゃん”を除いたメンバーの頭や胸元であったり膝などにヒットしました。
詳しくは“私・壱紀くん・陽斗くん・暁斗くん・咲凛ちゃん・利勇・聡真くん・琴音”です。
その顔ぶれは、妹が施してくれていた【恩恵】のおかげで防御力も上がっていたので、怪我せずに済んでいます。
とは言え、さすがは魔王なだけあってか、これまでのボスキャラよりも衝撃が強く、弾かれてしまった我々は、仰向けになったり、膝を着いてしまったのです。
なお、装備品ごしでも痛みがありました。
こうしたなか、我々に[鎌]を払おうとする魔王へ、
「かみなりぃ―ッ!!」
月媛ちゃんが【サンダー】を飛ばします。
ダメージを負うのと共に痺れたボスは、宙から落ちて、地面に両足を着きました。
ボスキャラが痙攣している隙に立ち上がる私たちです。
その流れで、
「せん光!」
【スキル】を使う琴音でした。
この二人を、それぞれが「ナイス!!」や「よくやった!」と褒めます。
これによって〝えへへ♪〟と喜ぶ“ちびっ子コンビ”です。
一方で、他パーティーの数名が、魔王に攻撃を仕掛けていきます。
しかしながら、ボスが用いた【直径4Mの光線】の犠牲になりました。
(なんだか、すぐにタイムリミットを迎えたような??)
そうした疑問を私が抱いたところ、
「やっぱり、これまでのボスキャラに比べて効き目が短いみたいだね。」
「さっきの挑発が7秒ほどで、雷撃と閃光は9秒あたりかな。」
このように述べる聡真くんです。
「厄介だね。」
ふと呟いた壱紀くんに、
「そこは〝倒しがいがある〟ってやつっしょ!?」
「カズにぃちゃん!!」
そう利勇が声をかけます。
この意見に暁斗くんが、
「あぁ、その通りだな。」
〝ニヤリ〟と口元を緩めました。
「んー、ま、全力を尽くすよ。」
そのように壱紀くんが喋ったところで、魔王が“左の掌”をこちらに向けてきたのです。
間違いなく【ビーム】を放つ気なのでしょう。
急ぎ対応しだす“モガミーズ”でした―。




