306.サーチ③
やや曇っている空の下、[レンヌ駅]に到着しました。
結構な数の人が集まっています。
なお、フランスはPM17:55を回ったあたりです。
こうしたなか、タクシーから降りる我々でした…。
とりあえず、暁斗くんが、近くにいる方に、
「ボスの討伐に参加したいんだけど、リーダーは?」
そのように質問します。
尋ねられた“20代前半の男性”は、
「え??」
「何これ?」
【自動翻訳】に驚きました。
聡真くんに、
「こういうスキル。」
「だから気にしないで。」
簡単に説明された相手が〝へぇー〟と理解を示します。
この流れで、
「多分そろそろ挨拶するだろうから、待ってればいいよ。」
そう教えてくださったので、「ありがとうございます」と伝える一同でした。
……、数十秒後。
誰ともなく「静かに」「始まるぞ」みたいな感じで周囲に声をかけていきます。
これによって、お喋りが止んだところ、
「皆さん、まずは、集まっていただいた事に感謝します。」
そのように語り出した女性がいました。
しかし、私達が立っている場所からは人だかりでよく見えません。
とかく。
中年であろう女性が、
「今から、モンサンミシェルの対岸、ホテルなどが在るエリアへと向かいます。」
「バスに先導してもらいますので、後に続いてください。」
「ただ、その前に…。」
「そろそろ人外たちが現れる時間なので、協力し合いましょう。」
こう述べられたことで、全員が[戦闘モード]になったのです……。
およそ20分が経ち、辺りのエネミー集団を殲滅しました。
人間側は150名くらいなので、割と早めに勝負がついた次第です。
そこから、“まとめ役の女性”が改めて報せていかれます。
なんでも、“ボスキャラ討伐の代表チーム”がバス代を銀子などで支払ってくれていたらしく、利用者は無料で構わないそうです。
このバスは50人ほどが乗れるみたいで、それ以外の方々は自家用車を使う事になっていました。
だいたいが友達や親戚と来ているらしく、車の数は30台ぐらいのようです。
あと、〝途中でもエネミーとのバトルになるかと思うので臨機応変にお願いします〟とも。
こうして、目的地へと赴く我々でした…。
予測していたとおり人外との戦闘になるも、倒しきっております。
なんだかんだで、駅を出発して1時間35分が過ぎた頃に、辿り着きました。
そこは、[ホテル]はもとより[カフェ]や[レストラン]に[スーパーマーケット]が建っているそうです。
こうした区域の道路を[モン・サン=ミシェル]へと歩いていきます。
時刻はPM19:55あたりです。
誰もが空腹になっているので、スーパーに立ち寄ることになりました。
実際は休業していたものの、〝ボスたちを一掃してくれるのであれば有り難い限りだから支援する〟との理由にて、急遽お店を開けてくださったのだとか。
どれもタダではありませんが、助かります。
店内にて、皆さんが商品を選んでいました。
“討伐組のリーダーである40歳くらいの女性&パーティー”は、お店の方と挨拶を交わしておられます。
そうして、なんらかの話しを聞いたらしい“代表チーム”が〝ん??〟と首を傾げて訝しがりました。
この様子に、
「何かトラブルでも起きたのかしら?」
疑問を口にする咲凛ちゃんです。
それもあって、気がかりになる“最神家イトコーズ”でした―。




