301.現状㉓
[アナウンス]が終了したところで、
「ついに最後の段階か。」
暁斗くんが呟きました。
「おそらく、エネミーの出現は1時間おきになるだろうね。」
「これまでのパターンからして。」
そう壱紀くんが語ったところで、誰もが深刻な顔つきになります。
状況が厳しくなるのは明らかなので。
若干の沈黙を経て、
「次のステージがいつスタートすんのか分かんねぇから…、どうする?」
利勇が首を傾げました。
このタイミングで、敷地内に[赤色と白色のカブ]が入ってきたのです。
そうして、停めたバイクから降りた男性が、[封筒]を持って、
「最神琴晴さんに、郵便です。」
声をかけてきました。
「あ、はい。」
「私です。」
これを受け取ったところ、カブに乗り直した男性が、去ってゆきます。
そうしたなか、
「もしかして、例のやつ??」
葵月ちゃんに尋ねられ、
「多分、きっと。」
こう答えながら、指で封を破り、[お手紙]を取り出す私です。
そこには、
午後の三時に新たな戯れが始まるようだ。
無論、人外どもは一層に強くなっておる。
ゆめゆめ侮るなかれ。
このように書かれていました。
「じゃぁ、それに合わせて、またここに集まろう。」
「5分前までに。」
方針を示してくれた聡真くんによって、一旦は解散することになったのです……。
お家の玄関あたりに、メンバーが足を運んできます。
全員が[戦闘モード]になったところで、
『全人類に、お報せします。』
『あと5分で“ファイナルステージ”が開催されます。』
『準備を整えて、お待ちください。』
『繰り返します。』
『あと5分で――。』
そう響き渡ってきました。
このため、私は[転移の宝玉・通常版]を用います。
【テレポート】した先は、いつもの[南の国道]です…。
PM15:00となり、エネミー達が登場しました。
天使は2.5Mぐらいの背丈になっています。
仏は、“白い象さん”に跨っており、右手に何やら持っているようです。
それと、2Mありそうなカブトムシ&クワガタムシが見受けられます。
全身が植物で形成されている“4M級の恐竜”に、
「トリケラトプスだな。」
「実物していたものよりはサイズが小さいみたいだけど。」
こう陽斗くんが述べました。
妖怪は、まず、身長1.7Mくらいの“雪女”が確認できます。
他に、肌が黒く、舌の長い、背丈4Mあたりの“お坊さん”らしきものがいました。
あと、[喪服の着物姿]で、鴉みたいな翼を有した女性が、宙に浮いております。
二足歩行で、[戦士みたいな防具]に[両刃のバトルアックス]といった格好であり、5M級の“肌が茶色い牛”に、
「ミノタウロスじゃん。」
そう察する利勇でした。
“赤い皮膚のトカゲ”も5Mあるみたいです。
これら以外にも“空飛ぶ魔物”がおり、
「ワイバーンだね。」
聡真くんが口を開きました。
そのモンスターは、全長6Mといった“緑色のトカゲ”で、前足の部分が翼になっています。
ちなみに、種族を問わず、“大きなエネミー”は数が少なめです。
何はともあれ。
バトルが展開されだしました―。




