2.何が何やら
八畳ほどの我が部屋にて、ほぼ中央に在りしローテーブルに置きたり段ボールを開いてみました。
そこには、直径4㎝ぐらいでライトブルーの球体が付属したネックレスと、琥珀のブレスレットや、茶封筒が、納められていたのです。
(届け先は、私になっていたから、別の人と間違った訳ではなさそうだし。)
(ひょっとして、イタズラ?)
(誰かしらに恨まれるような生き方をしてきた覚えはないんだどなぁ。)
(それに、どっちのアクセサリーも綺麗だから、嫌がらせではないのかも??)
ま、考えたところで答えは出ません。
取り敢えず、封筒の中を覗いてみたところ、お手紙が入っていました。
引っ張り出して、確認してみたら、
本日の午後4時より、奴らの遊びが始まる。
我々は、それを阻止すべく、汝に、これらを託した。
必ず助けになる故に、有効活用するが良い。
と書かれていたのです。
割と上から目線で。
「ふむ、意味が分からん。」
〝パタム!〟と箱を閉じた私は、ベッドで仰向けになって、ぼんやりと天井を眺めます。
そうこうしていたところ、何処かしらから大きな声が聞こえてきました。
まるで、空に響き渡るかのようでもあり、脳内に直で話し掛けてくるようでもあります。
複雑な事に…。
さて、相手は、どうやら二人組のようです。
『我らは神である!』
ちょw
おまww
自分のことを神ってwwww
と、思わず草が生えてしまいました。
『そなたら人間どもは、今日に至るまで、差別や迫害に紛争であったり環境破壊といった悪事を重ねてきた。』
『いつか改心してくれるであろうと期待して、我らは長い間、干渉しないでおいたが、もはや我慢の限界である。』
『〝罪を償わせるべく、全てを滅ぼして無に帰そう〟との意見もあったが、善行を積んできた者たちもいるので、最後のチャンスを与えることにした。』
『これより開催する命懸けのゲームにて、生き残った人間たちには祝福を授けよう。』
『ぜいぜい死なずに、楽しむが良い。』
『それでは、諸君らの健闘を祈る!』
交替しながらの演説が終わるや否や、目の前に〝シュンッ!〟と、縦20㎝×横30㎝×厚さ1㎜くらいで半透明の青い画面が出現したのです。
おそらくは、“イベントリ”でしょう。
そこに記載されていた私のジョブは、【踊り子】でした。
なんだか、ドラ○エや、F○などの、RPGが、彷彿されます。
いやいやいやいや、それよりも!
私、ダンスは苦手なんですけど?
しかも、このジョブで、どう戦えと??
前途多難の予感しかしません…。
定刻になりました。
すると、一階から、
「うわああああッ!!」
「きゃああああッ!!」
といった叫び声が聞こえてきたのです。
〝ガバッ!〟と起き上がった私は、おもむろにドアを開けて、階段を下りていきました。
右は広間で、左は台所に、なっています。
そのどちらにおいても、魔物や妖怪に悪魔であったり、銀仮面の天使と、仏などが、私の親族を殺害したり、互いに激突していたのです。
どれも、身長が110~120㎝と小柄ではあるものの、凶悪な印象を受けました。
私の弟や妹に、親戚一同が、石槍で胸を刺されたり、剣で首を刎ねられたり、生きたまま喰われているのですから。
更には、魔VS天使VS仏といった感じの三つ巴にもなっています。
“人”という獲物を奪い合っての事なのか、宿敵だからなのか、それは定かではありません。
いずれにせよ、阿鼻叫喚の現状に、私は〝ヘナヘナ〟と腰を抜かしてしまったのです―。