197.忙しなく・ぜんぺん
[東京組]が“ボス半魚人”に総攻撃を仕掛けております。
他の討伐隊グループは、それを背後で見守っていました。
“6M級のサハギン”が倒れているのは、平舞台の[一本道]なので、ここに百数十人が集まると〝ごちゃごちゃ〟してしまい、故意ではないにせよ同士討ちに巻き込まれかねないので、配慮してくださっているみたいです。
とにもかくにも。
アケミさんの【ストラッシュ】によって、まだ痙攣しているボスキャラの体力を削っていきます。
暫くして痺れが解けた“半魚人の親玉”が上体を起こしかけたのですが、明らかに弱っているようです。
その右首に〝ズシュッ!〟と刺さったのは、ジュンヤさんが刀で放った【蒼炎】でした。
これによって、ボスの頭から鎖骨あたりの範囲が〝ボオォォォウッ!!〟と燃えたのです。
そんな[ブルーファイヤー]に焦がされた“ボスサハギン”が消滅するなり、
『あなたのレベルが上がりました。』
『あなたのレベルが上がりました。』
『あなたのレベルが上がりました。』
『あなたのレベルが上がりました。』
『あなたのレベルが上がりました。』
『あなたのレベルが上がりました。』
『あなたのレベルが上がりました。』
例の“機械的な女性のアナウンス”が、7連続で私の脳内に流れていきます。
このタイミングで、
「おおー! やったのぉ!!」
「ぶち凄いわ!」
など、広島の方々が興奮気味で称賛してくださいました。
そういった歓喜のなかで、ご自身の腕時計を確認した“役所の男性”が、
「皆さん、水を差して申し訳ありませんが、あと15分ほどで“通常のエネミー”が出現します。」
「神官と巫女の人達に“結界”を張っていただきたいのですが…、お願いしてもよろしいでしょうか?」
周囲を窺ったのです。
これに、
「仰る通りですね。」
「すぐに行ないましょう。」
冷静に応じるカズヒコさんでした……。
幾つかのチームとなって、屋根が付いているエリアに【結界】を施していきます。
我ら[最神家イトコーズ]は、琴音の“お供”です。
そんなこんなで5分が経過し、私たち親族は、平舞台に戻ってきました。
ここへ、[勇者さんパーティー]と、討伐隊の40名ぐらいが合流してきます。
それ以外の人々は、正午に現れる敵に備えて、厳島神社の“東西の出入口”で待機しているようです。
「とりあえず、体力と魔力を回復しておこうか。」
リョウさんの提案で、各自、ポーションを摂取しました。
なお、個人差はあるものの、全員がレベルアップしております。
壱紀くんにいたっては、新しいスキルを収得したそうです。
ただし、〝こういう場所では使わないほうが良さそう〟との事でした。
一方、私はというと、これまでと異なる武器を作成できるようになっています。
[ピストルグレネードランチャー]か[二丁拳銃]の、どちらかを選べるみたいです。
少し悩みはしたものの、ユウジさんが用いていた“グレネード”をチョイスしました。
なんだか威力が高そうだったので☆
こうして、次なる銃を急ぎ組み立てる私でした―。
現時点でのモガミーズ
【機工士】の琴晴 = LV.14
【巫女】の琴音 = LV.23
【戦士】の壱紀 = LV.22
【魔女】の月媛 = LV.18
【剣士】の陽斗 = LV.16