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JK LOOPER  作者: ネコのうた
3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
193/317

193.厳島神社での攻防戦②

本来は出口である場所から進入した私達は、“西廻廊”を歩いております。


我々が敷地内に在る[大国神社]に差し掛かったところで、正面から“サハギン(半魚人)の兵隊”が向かってきたのです。


カズヒコさん&琴音(ことね)が、すかさず【恩恵】を発動しました。


ステータスが倍増した[勇者さんパーティー]と[最神家(もがみけ)イトコーズ]が、走りだした敵集団に攻撃を開始したのです。


エネミーの数は120体といったところでしょう。


剣を振るったり魔法を放つアケミさんを筆頭に、騎士のハルカさん/武闘家のサトシさん/侍のジュンヤさん/戦士の壱紀(かずき)くん/剣士の陽斗(はると)くん、といった接近戦タイプが、スキルを活用しています。


他のメンバーは、銃・矢・魔法・スキルで援護射撃していきました。


ちなみに、新たに加わったリョウさんは【弓使い】であります。


ご本人のレベルは“15”との事です。


なお、武器は、アーチェリーみたいな感じというか…、|ロールプレイングゲーム《RPG》に登場しそうな形状でした。


私が発砲しながら横目で見たところ、ジュンヤさんが(つる)を引くなり、一本の矢が自然と現れたのです。


“半透明かつ白く輝いている矢”を()ると、それ(・・)が15個に分裂して、サハギンたちに刺さっていきます。


そのような光景に、


(おおー。)

(結構いいジョブだなぁ。)


と、秘かに思う私でした。



残り90体程となったあたりで、人外が三手に分かれたのです。


“Aグループが40体”で“BとCが25体ずつ”といった計算であります。


Aは、これまでどおり、[東京組]と戦うみたいです。


Bや、Cは、それぞれ、廻廊の左右から屋外に飛び出し、[討伐隊]の後方へと泳いでいきました。


おそらく、私達を挟み撃ちにするつもりなのでしょう。


これを察したらしい騎士の数名が、ほぼ同時に「挑発!」と唱えて、回り込もうとしていたエネミーらを、各自に引き寄せます。


そこを、近くに居る人々が仕留めていったのです。


この間に、私達も、眼前の半魚人らを殲滅しました。



軽く〝ふぅ〟と息を吐いて、後方を確認した勇者さんが、


「どうやら、亡くなった人はいないみたいだね。」

「まずは良好といったとこだな。」


笑みを浮かべます。


[討伐隊]の皆さんも、ひと安心しているようです。


「ただ……、前回に比べて、敵の数が少ないみたいでした。」


私が、仲間内にだけ聞こえる声で伝えたら、


「そうなの?」


機工士のユウジさんが尋ねてきました。


「ええ。」

「半分ぐらいになっていたかと。」


そのように返したところ、


「ん??」

前回(・・)?」


タイムループの件を知らないジュンヤさんが、首を傾げたのです。


これに対して、サトシさんが、


「あー、…、詳しいことは落ち着いてからにするとして、取り敢えず、先を急ごうぜ。」


周りに情報が漏れないよう気を遣ってくださいました。


そのタイミングで、


「どうかしましたか??」


行政の男性が窺ってきたのです。


なんと答えたらいいものか、私が悩んでいたら、


「いえ。」

「……、フェリーで〝雑兵は480体くらいになっているだろう〟との説明がありましたが、120体ほどしかいなかったので、〝こちらと同じようにサハギンもチーム分けを行っており、第二陣の襲撃があるだろうから注意を払おう〟と、話していたところです。」


神官のカズヒコさんが上手く誤魔化してくれました。


「あぁ、そうですね。」


納得した役所の方が、


「では、皆さん。」

「警戒を怠らないようにしましょう。」


[討伐隊]に告げます。


誰もが頷いている状況に、〝ほっ〟とする私でした―。




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