19.ミーティング
【武闘家】である神澤紗凪さんがリーダーの事だったので、[メニュー画面]から申請しました。
この時に、人によって“メニュー画面”や“画面”であったり“イベントリ”に“アイテムBOX”などと呼称が異なり、統一性が無いということも教えてもらったのです。
なにはともあれ、パーティーの一員になる為には、そこのリーダーに許可してもらう必要があったのでした。
暫く北上して行き、
「そこの角を右です。」
と、私が述べたところ、【アサシン】の神岳穂積さんが、
「生命反応がある。」
「どうやら争っているみたいだ。」
と告げました。
皆で、そっと覗いてみたら、毎度お馴染みの天使と仏がいたのです。
他にも初見の“スライム”や“一つ目小僧”がおりまして、案の定、三つ巴になっています。
天使と仏は4人ずつの計8数で、スライムが5匹の、小僧は3体です。
スライムはどれも半透明の水色であり、ドラ○エの“バ○ルスライム”や“は○れメタル”みたいなフォルムをしています。
一つ目たちは、身長が1.3Mくらいで、笠を被っており、いかにも小坊主といった服装です。
「琴晴ちゃんは、あれらと戦った経験ある?」
紗凪さんの質問に、
「天使に、お地蔵さんみたいな仏とは、バトルになった事がありますが、それ以外とは…。」
私が首を横に振ったところ、【魔法使い】である神澤真守さんが、
「だったら…、スライムには魔法による攻撃しか通用しないってことを覚えといて。」
「取り敢えず、連中は俺が担当するよ。」
と、引き受けてくれました。
「君は攻撃魔法を扱えるかい?」
そう聞いてきた穂積さんに、
「いいえ。」
と答えたら、
「それじゃあ、俺と穂乃歌で宙に浮いている奴らを墜としていこう。」
「スライムは真守に任せるとして、紗凪と君は“一つ目”を頼む。」
という作戦を立ててくれたのです。
私は、今にも突撃しようとするメンバーを、
「待ってください。」
と、踏み止まらせます。
「まずは、私の補助魔法である“恩恵”を用いて、全員の攻撃力と防御力に素早さを二倍にしておきましょう。」
「え?!」
「そんなことが出来るの??」
【クレリック】の神岳穂乃歌さんが驚きました。
「ええ。」
「ただし、10秒ほどしか効果がありません。」
「一応、その都度、掛け直しますが…。」
「それと、私の“閃光”も発動しましょう。」
「こちらは、ほんの数秒だけですが敵の視界を奪えるので、少しは戦闘が有利になります。」
「とは言え、先程の植物系みたいに目が付属していない相手には効きませんが。」
そのように説明したところ、真守さんが、
「ん~、となると、スライムには意味が無いかもしれないね。」
との見解を示したのです。
「であれば、スライムは真守と穂乃歌で処理してくれ。」
「あとは俺達で何とかしよう。」
「それでいいな?紗凪。」
確認する穂積さんに、
「うん、構わないよ。」
承諾した彼女が、優しく、
「じゃあ、琴晴ちゃん、よろしくね。」
と私を促すのでした―。