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JK LOOPER  作者: ネコのうた
3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
187/317

187.厳島神社での攻防戦①

AM10:50となり、フェリーが出航しました。


なお、宮島へと真っすぐ進んでおります。


〝10分後に着港する〟という事で、一旦、解散となり、船内を探検する私たちでした…。



AM11:00頃に、一同は桟橋(さんばし)へと降り始めたのです。


行政の方は、二人が戦えるらしく、我々と命運を共にします。


残りの三名は“一般職”のため、フェリーに残っていました。



私達は、12分ほど歩き、[厳島神社]の“不明門(ふみょうもん)”に辿り着いたのです。


ちなみに、“ふめいもん”や“あけずのもん”に“あかずのもん”とも読み、“不開門”という別名があったのだと、一緒に訪れた行政の男性が説明していました。


そんな門の付近に、地元民が50数ぐらい待機しています。


なんでも、〝神社でのバトルに参加する〟とのことでした。



私たちは、神社の入口に回ってきています。


フェリーからの道中、あちらこちらで広島弁が聞こえておりました。


壱紀(かずき)くんが、


「そういえば、リョウさんって、方言を使っていませんね。」


素朴な疑問を投げかけたら、


「あー、うん。」

「普段は東京で生活しているから、自然と標準語になっているけど…。」

「家族や、こっちの友達と喋るときは、フツーに安芸(あき)弁になってしまうね。」


このように説明したのです。


余談かもしれませんが、大学が春休みになり、リョウさんが帰省したところで、世界が様変わりしたとの事でした。


「えー、…、そろそろ時間となりますので、皆さん、ご準備の程よろしくお願いします。」

厳島(いつくしま)神社に張られていた“結界”は既に壊されていますので、くれぐれも、ご注意ください。」


行政の方に報らされて、全員が装備をチェンジしていきます。


現在の天気は、小雨(こさめ)です。


腕時計を確認した行政の男性が、


「11時20分となりましたので、討伐を実行します。」


そう告げたことによって、およそ200名が建物内へと足を踏み込みました……。



[東回廊]を、二度、右に曲がったら、正面より人外らが向かって来ていたのです。


数は、240体といったところでしょう。


先頭グループが乱闘になっていくなか、背後からも同数のエネミーが襲撃してきました。


サハギン(半魚人)達の背丈は、120㎝くらいです。


鱗は、緑色と、赤色が、存在しているので、オスとメスかもしれません。


各自、鉄製の[一本(モリ)]を所持しています。


銛の基本的な長さは150㎝あたりですが、伸びると倍はありそうです。


ともあれ。


予想していなかった“挟み撃ち”に、人間側はプチパニックとなってしまい、統率が乱れていました。


私たち[東京組]は、集団の中央にいます。


「くッ!!」

「これじゃ、スキルや魔法はもとより、飛び道具も使えねぇなッ。」

「味方に当たっちまう危険性があるから。」


そう述べつつ、眉間にシワを寄せたのは、【侍】のジュンヤさんです。


「どうにかすべきなんだが…、いい手段が何も思い浮かばなぁーいッ!」


頭を抱えたのは、勇者さんであります。


焦りだす我々の西側より、


ドウッ!!


直径30㎝でコバルトブルーの[光線(ビーム)]が放たれました。


寧ろ[水鉄砲]という表現が適切かもしれません。


どちらにせよ、私達の近くにて、この射撃範囲内に居た人々がダメージを負います。


残念ながら絶命してしまった方が何名かいるようです。


混乱に陥っていた所為で、誰もが【恩恵】を施し忘れていたのも影響を及ぼしたのでしょう。


【ビーム】が発動された方角を、一斉に見たら、6M大のサハギンが海に佇んでいました。


鱗が青色である半魚人は、銀製で4Mといった[三又銛(みつまたもり)]を、右手に持っています。


最長で8Mになりそうです。


この武器を装備している敵は、きっと“ボス”に違いありません。


何処に潜んでいたのかは不明ですが、それぞれが配下に気を取られていた隙に登場して、攻撃を仕掛けてきたみたいです。


とかく。


連続で不意を突かれるという〝まさか〟の事態に、[討伐隊]の多くが唖然としています。


そのような状況にて、ボスキャラが〝ギュンッ!〟と間合いを詰める流れで、銛を発射してきたのです。


この先端の一つが、「身か」と唱えようとした私の、首を、


ドシュッ!!


と、貫いたのでした―。




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