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JK LOOPER  作者: ネコのうた
3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
186/317

186.宮島口にて

現在、マイクロバスは、目的地へと走っております。


黒髪サラサラショートかつインテリメガネの男性は、“リョウ”という名前で、二十歳(ハタチ)の大学生とのことでした。


ちなみに、丸眼鏡のミオさんも20歳の大学生であります。


さて。


「近所の人が“巫女”になったとかで、家に結界を張ってもらえて、親戚は全員が無事らしいんだけど…。」

「本土との往来が断たれている島では、いろいろと限られてしまってるから、あと何日もつのか分からない。」

「それに、今のところは厳島(いつくしま)神社から動いていないボスキャラ達が、いつ敷地の外に出るか不明なため、これも不安要素になっているみたいなんだ。」


そう語るのは、リョウさんです。


「宮島の方々は、誰もボスに挑んでいないのでしょうか?」


カズヒコさんの質問に、


「いえ、数日前に戦った人たちがいたけど、返り討ちにあって、殆どが亡くなってしまったそうです。」

「僕の親戚によれば、〝それ以来、島民は様子を見ている〟との話しでした。」


リョウさんが答えます。


車内が静寂に包まれたところで、


「とにもかくにも、ボスキャラどもを成敗して、島の人々を少しでも安心させてあげよう!!」


元気よく告げる勇者さんでした。



[宮島口旅客(みやじまぐちりょかく)フェリーターミナル]の付近では、交通誘導が行われています。


この人達によると、「今回は、カーフェリーは運航しないので、駐車場に停めてください」とのことです。


それに従うサトシさんでした。



私達が徒歩でターミナル内に入ったら、


「厳島神社での戦闘にご協力くださる方々は、10時45分までにフェリーへとお進みください。」

「そうでない方はご乗船できませんので、ご理解の程よろしくお願いします。」


係員であろう30代半ばくらいの女性が案内していました。


〝ふむ〟と頷いたアケミさんが、


「ここで、一旦、お別れだな。」


[一般職]のメンバーに視線を送ります。


「そうみたいね。」

「……、ま、こっちは、テキトーに過ごすから、気にしないで。」


マリナさんが述べた事によって、我々は別行動となったのです。


時刻はAM10:35あたりでした…。



フェリーは“三階建て”であります。


なんでも、【結界】が施されているそうです。


討伐に参加する人たちは、一ヵ所に集められています。


総勢は150名といったところでしょう。


AM10:45となり、役所から赴いたという数名が、大きめの地図を壁に貼って、“奪還戦”についての説明を始めたのです。


これによれば、世界の変化に伴い、宮島方面でも四割ほどが命を落とされているとのことでした。


ただし、島の警察にも犠牲者が出ており、人手不足のため、確かな情報は掴めていないそうです。


なお、ボスを消滅できたなら、一人につき5万円の報酬となります。


また、駐車場とフェリーの代金も行政が支払ってくれるみたいです。


そこからは、MAPをもとに、ボスキャラ関連の詳細を伝えられました。


厳島神社を拠点としているエネミーらは“サハギン”との事です。


日本では“半魚人”と呼ばれています。


セカンドステージになった二日目に、宮島の“戦闘職”と“ユニーク職”が80名ぐらいで勝負を挑み、配下の半数を倒したそうです。


しかし、人間側にも犠牲が生じてしまい、撤退を余儀なくされたので、〝雑兵は480体くらいになっているだろう〟との予測でした。


つまりは、敵の方が多勢ということです。


次第に悪化していく天候が未来を占っているかのようで、私は不安に駆られていきます。


私の心境を余所(よそ)に、早い段階で飽きていたらしい琴音(ことね)月媛(ひかり)ちゃんは、どちらかが自宅から持ってきていたのであろう“あやとり”を楽しんでいました―。




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