183.岡山へ
ホテルの周りを歩きながら、
「武器、変わったんですね。」
そう声をかけた私に、
「うん。」
「大阪城でレベルアップしたときに、新たに作成できるようになったからね。」
「これで、射程距離が伸びたよ。」
と、ユウジさんが返したのです。
ご本人は、[スコープ付きのライフル]を所持しております。
壱紀くんが、
「そういう能力ということですか??」
このように質問したところ、
「まぁ、そうだね。」
ユウジさんが微笑みました。
〝へぇー〟と興味を示していた私たちに、
「気づかれたみたいだぞ。」
「集中しよう。」
ジュンヤさんが知らせます。
前方をみたところ、20体ほどのエネミーが、私達の方へと向かって来ていたのです。
なかには、宙を飛んでいる敵もいました。
当然ながら、それらと戦闘になっていきます。
なお、勇者さん/サトシさん/ジュンヤさんも、スキルを収得したり変化していました。
アケミさんは、爆発以外の、火・風・氷・雷の[攻撃魔法]が、球体ではなくなっております。
どれもが、“最小直径25㎝×最大直径50㎝×長さ2.5M”といったサイズ感です。
[爆発の玉]は直径2Mになっていました。
サトシさんは、“ストレートパンチ/フックパンチ/アッパーパンチ/手刀/肘鉄/裏拳/ハイキック/ローキック/膝蹴り/回し蹴り”の[十連撃]です。
ジュンヤさんは、刀から発動する白炎が[蒼炎]になっていました。
また、幅10㎝×長さ3Mだったのが、幅20㎝×長さ4.5Mとなっています。
更には、持続時間が21秒になったそうです。
ハルカさんは今までどおりらしく、いささか悔しがっておりました……。
AM08:40あたりでチェックアウトした我々は、マイクロバスへと乗り込んだのです。
サトシさんがエンジンを掛けたところで、
「兵庫と言えば、“姫路城”だな!」
勇者さんが嬉々として述べました。
「あー、そうだな。」
「…、行くのか?」
バックミラーごしに窺ったサトシさんに、
「よろしく頼む!!」
アケミさんが伝えます。
かくして、一同は、お城を目指す事になったのです。
およそ1時間45分が経ち、別名“白鷺城”に到着しました。
ハルカさん・サトシさん・ユウジさん・ユミさんは、表情が暗くなっております。
他の人たちは、割と楽しそうです。
ちなみに、月媛ちゃんは、琴音によって、昨日から今日に亘り、アニメ[レイヤー×スレイヤー]を一話目から視聴しています。
勇者さんのノートPCで。
結果、それなりにハマったみたいで、お城に〝ルンルン♪〟しておりました……。
約30分後に、ユウジさん&カズヒコさんの指示にて、次の目的地へとマイクロバスが走り出したのです。
ここから1時間40分ほどが過ぎ、とある駐車場に辿り着きました。
既に兵庫県を越えて、岡山県に入っています。
なんでも、瀬戸内市の、牛窓という町なのだそうです。
時刻はPM12:05あたりでした。
「敵が現れているから、ソイツラを倒して、お昼ご飯にしよう。」
ユウジさんの提案で、“戦闘職”と“ユニーク職”が降車して、近辺の人外を殲滅していくのでした―。
現時点での六人
【勇者】のアケミ = LV.25
【騎士】のハルカ = LV.22
【武闘家】のサトシ = LV.22
【神官】のカズヒコ = LV.21
【侍】のジュンヤ = LV.21
【機工士】のユウジ = LV.20