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JK LOOPER  作者: ネコのうた
3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
179/317

179.大阪城奪還戦④

体勢を整え直そうとする“ボス仏”に、


ボンッ!!


ユウジさんが改めて[ピストルグレネードランチャー]を発砲しました。


“正面の顔”の額を狙ったみたいです。


「!」


ボスキャラは、咄嗟に、自分の左へと躱します。


しかし、反応が遅れてしまったようで、右顔の“左こめかみ”にヒットしました。


「ぎッ!?」


ボスは、痛がりながら、軽くふらついています。


この間に、カズヒコさんがパーティーメンバーへと新たに【恩恵】を施しました。


琴音(ことね)も、


「おんけい!!」


我ら“モガミーズ”のステータスを再び倍増させてくれます。


更には、妹が「せん」と唱えかけたところ、ボス仏が【ビーム】を放ってきたのです。


ただし、“右側”は機能を停止しているらしく、【光線】は合計で4本でした。


一本は誰も居ない場所に飛んでいったものの、一本はジュンヤさんの右肩に当たったみたいです。


他の一本は私に向かってきましたが、まだ【身かわし】の効果が失われていなかったので、余裕で()けれました。


残りの一本は、壱紀(かずき)くんの腹部にヒットしています。


後方で、


「お兄ちゃん!」


月媛(ひかり)ちゃんが血相を変えるも、


「回ふく!!」


我が妹が、すかさず傷を癒したので、安心したようです。


ジュンヤさんは、ご自身の[体力回復ポーション]を飲んでいました。


【神官】であるカズヒコさんの位置からでは、ボスキャラが邪魔で、お仲間であるジュンヤさんの状況が分からず、治癒魔法を使うには至らなかったみたいです。


何はともあれ。


「人間どもめがッ、許さんぞ!」


ボスが、またしても[巨大な両口ハンマー]を両手で振り上げます。


その近くには、アケミさんとハルカさんの姿が見受けられました。


ボス仏は、お二人にハンマーを叩き付けるつもりなのでしょう。


ですが、


「隙だらけね。」


こう指摘した【騎士】のハルカさんが、


風斬(ふうざん)!!」


[大剣]を左から右へと払い、最大幅27㎝×長さ2.7Mぐらいで三日月状の“風の刃”を発動したのです。


それ(・・)が、両方の太腿に〝ズブシャッ!〟と直撃して、負傷したボスキャラが、


「ぐあッ!?」


左右の膝を、地に着けました。


この流れで、勇者さんが、


バチ、バチバチッ、バチィッ!!


白雷(びゃくらい)”を纏わせた剣を、


「ストラッシュ!」


おもいっきり突き出します。


ズワッボゥッ!!


一直線に放たれた[雷]に〝ドシュッ!〟と心臓部を貫かれたボスは、本日二度目の“感電”に見舞われたのです。


「がッ、あ。」


ズドォンッ!!


ボス仏が、うつ伏せで倒れました。


「よし!」

「あとは、皆で、仕留めよう!!」


アケミさんの指示によって、痙攣しているボスキャラに、[東京組]が総攻撃を開始したのです…。



数十秒後――。


遂に、[6M級のボス]が消滅しました。


武器と防具に、40gほどの歪な“金の塊”を、遺して。


私の脳内に、


『あなたのレベルが上がりました。』

『あなたのレベルが上がりました。』

『あなたのレベルが上がりました。』

『あなたのレベルが上がりました。』


例の“女性の音声”が4連続で響きます。


ボス仏の絶命を認識した家来たちは、南へ逃げようとしていました。


しかしながら、そちらの方角より駆けつけた人々によって阻まれたのです。


数は、100人くらいでしょう。


この方々に、


「丁度ええとこに来た!」

「コイツラ、挟み撃ちにすんで!!」


金髪リーゼントさんが告げたので、きっと、お仲間に違いありません。


そんな光景を余所(よそ)に、


「これ、どうする?」


【機工士】のユウジさんが、全員に尋ねてきたのです。


ご本人は、ボスキャラの装備品などの分配について、考えを求めていました。


「アケミさん達のお陰で勝てたので、全部お譲りします。」

「私たちは、名古屋城で獲得していますので、今回は結構です。」


このように伝えたところ、


「いいのかい?!」


勇者さんが、いささか驚いたのです。


「ええ。」


私が頷いたら、


「じゃあ、遠慮なく、そうさせてもらうとしよう!」


アケミさんが快諾してくれました。


「それにしても……、ここのボスは、どこに潜んでいたんだろうね??」


壱紀くんが疑問を口にしたことによって、誰もが空に視線を送ります。


「あー、おそらく、あれじゃねぇか?」

「今日は、大きな雲が割と在るからな。」

「そのどれかの、上か、あるいは、中にでも、隠れてたんじゃないか??」


【侍】たるジュンヤさんの意見に、皆が〝なるほどぉ〟といった具合に納得しました。


「ところで、あのボスキャラは、なんだったんでしょうねぇ??」

「顔が三つもありましたし…。」


私が首を傾げたところ、


「ありゃ、“三面大黒天”だろうな。」


【武闘家】のサトシさんが、そう教えてくれたのです。


まぁ、なんだかんだで、平穏を取り戻していく[大阪城]でした―。




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