178.大阪城奪還戦③
暴走族チームは勿論のことながら、ボスキャラの配下である仏らも、あちらこちらへ避難しようとしています。
そこへ、
ズドォオンッ!!
右側面を地に打ち付けたボスが、
グラァ~ …… ドン!
うつ伏せで倒れました。
味方はもとより、敵にも犠牲は出ておりません。
[6M級の仏]はというと、“感電”によって痙攣しています。
この状況に、【侍】のジュンヤさんが、
「チャンスだ。」
「仕留めるぞ!!」
周囲に告げたのです。
それによって、全員がボスに攻撃を開始します。
しかし、ボスキャラの家来どもが〝そうはさせまい〟と、[強虎嵐武]&[虎超乱]に襲い掛かったのです。
「!」
「とりあえず、ボスは、東京の人らに任せて、俺達はコイツラに対応しよう!!」
“黒髪ソバージュの男性”に促され、
「せやな!」
「皆、こん仏らぁ倒すでッ!!」
金髪リーゼントさんが、お仲間に指示しました。
一方、私たちは、[魔法]や[スキル]をボスキャラに向けて発動していったのです。
ちなみに、アケミさんは、火/風/氷/雷/爆発/回復の魔法を扱えます。
ご本人は【勇者】なので、割と“チート”の模様です。
んー、…、羨ましい!
心の声が漏れたところで、話しを元に戻しましょう。
私・壱紀くん・サトシさんが、ボスに接近しました。
他の人々は、中間距離や遠距離から能力を使っています。
確実に負傷していってるボスキャラは、アケミさんの【ストラッシュ】による痺れが解けたようで、上半身を〝ガバァッ!!〟と起こしたのです。
この流れで、敵が合計6個の目から【ビーム】を飛ばしました。
“正面の顔”のものは完全に外れ、右側のものは【機工士】のユウジさんと【騎士】のハルカさんに、左側のものは仏たちにヒットします。
ユウジさんは胸の中央あたりを、ハルカさんは右肩を、それぞれに貫かれたのです。
痛そうにしているお二人を、【神官】のカズヒコさんが魔法で治癒していきます。
大事に至らなかったようで、私が安堵していたところ、
「まずい!」
「距離を取ろう!!」
【武闘家】であるサトシさんが危険を知らせました。
私が〝フ〟と見てみたら、既に立ち上がっているボスが、[巨大な両口ハンマー]を振り被っていたのです。
逃げ遅れた私を、
「お姉ちゃん!」
琴音が心配します。
「大丈夫!!」
妹に視線を送ることなく返事した私は、
「身かわし!」
こう唱えました。
それによって、〝ブオッ!!〟と迫りくる[大金槌]を、後方に〝シュタッ!〟と躱せたのです。
〝このジョブを選んで間違いだったかも〟などと、低評価を下したのは、どこの誰でしたっけ?
…………。
すみません、私です。
と、まぁ、お茶羅家ている間に、
ドオーンッ!!
[ボス仏]の“ハンマー”によって、またしても地面の四方八方に亀裂が生じたのでした―。