175.案の定
「アケミが殺されたとなると、手強そうね、大阪のボスキャラは。」
ハルカさんの意見に、
「いえ、先にループしたので、死んではいなかったかと…。」
そう返した私です。
「だとしても、厄介なことには変わりなさそうだね。」
ユウジさんが眉間にシワを寄せ、
「しかし、まぁ、空から急降下してくるのは分かったんだ。」
「いくらでも対応できるだろう。」
アップバンクのジュンヤさんが述べました。
「確かに一理ありますね。」
「あちらに向かいながら作戦を練りましょう。」
カズヒコさんの考えに、
「ああ、そうだな。」
スポーツ刈りのサトシさんが頷きます。
「いいんですか?」
「別の道を選択するのも可能ですけど??」
私が窺ったところ、
「何を言う、コトハくん!」
「リベンジを果たすに決まっているだろ!?」
「やられっぱなしで逃げるのは嫌だからねッ!!」
笑顔で答える勇者さんでした。
パーキングにて、
「今度は中華街に遊びにおいでよ。」
「うん!!」
「またね、ミッサ―ン!」
ミサさん&琴音を中心に、誰もが手を振って、別れを告げたのです。
この流れで、“高槻市のハンバーグ屋さん“をカーナビに打ち込んだサトシさんが、マイクロバスを走らせます。
時刻はAM11:15あたりです。
ほぼデジャヴではありますが、妹の分だけでなく、月媛ちゃんが食べたパフェも、ハルカさんが支払ってくれました。
車内や、お店で、どのように戦うべきかを〝あーだ こーだ〟と話し合い、方針を決定したのです。
なお、正午以降に現れた人外たちを倒していった結果、私はLV.7に、月媛ちゃんがLV.9になっています。
そのような状況で、お城を目指す我々でした……。
約1時間15分後。
[大阪城公園駅前駐車場]にマイクロバスを停めて、一般職の人々を残し、“天守”へと歩いていきます。
[大阪城ホール]あたりで、
「やっぱ、そうやん!!」
「京都で会うた人らやで!」
“金髪リーゼントさん”が、こちらに気づき、
「ホンマや……、けど、メンバーが少し違うんちゃうん??」
“ライトブラウンロングパーマの女性”が首を傾げました。
「やあ、また会ったね。」
アケミさんが声をかけたら、[強虎嵐武]と[虎超乱]のなかでも、面識のある方々に、
「なんで、ここにおるん?」
「あれから、試合、どないなった??」
「ひょっとして、どっかで状況を知って、うちらの助っ人に来てくれたんかいな?」
「結局、どこが優勝したん??」
「アンタら、別々のパーティーやったよな?」
「その髪って、地毛ちゃうん??」
と、質問されまくったのです。
勇者さん達が京都で起きたことを説明していったところ、
「蘇生術士が?」
「…、嘘やろ??」
金髪リーゼントさんを筆頭に、暴走族の方々が、絶句しました。
日焼けマッチョのサトシさんが、
「事実だ。」
「だが、希望はある。」
「俺たちは、蘇生術士を復活させる予定だ。」
このように伝えたら、
「そんなん出来るん?」
茶髪ロングパーマで、紫色の特攻服を着ている女性が、尋ねてきたのです。
「ああ、可能性はある!!」
アケミさんが堂々と肯定したところ、暴走族の皆さんが安堵しました。
本日、二度目のデジャヴであります。
私が、まるで再放送を視聴しているかのような感覚になるなか、
「ところで……、あなた方は、ここで何をしていらっしゃるんです??」
「噂に聞いたことのある“集会”とかいうやつでしょうか?」
白々しく訊ねるカズヒコさんでした―。