表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JK LOOPER  作者: ネコのうた
3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
171/317

171.現状⑫

「じゃあ、私は、新しいジョブを選ぶとするよ。」


[画面]を開いて、決定したるは、【剣士】であります。


[新・京都見廻組(みまわりぐみ)]に所属している“お団子ヘアー&細長インテリメガネさん”の戦闘を目撃した際に、興味を抱いていたので☆


宙には、レイピア/サーベル/ロングソードが、出現しました。


少し悩んだ私は、[レイピア]を手に取ったのです。


「“剣士”か…。」


呟いた父が、


「こないだ利勇(りお)が考えてくれたデザインを応用すればいいか。」


母に視線を送りました。


「ん?」


意味が分からない私が首を傾げたら、


「あー、……、穂積(ほづみ)くんたちのお陰で、注文してくれる人が増えてきたからな。」

「いろいろと製作するようになったんだ。」

「商売として。」


父親が説明してくれました。


「俺らは、最神(もがみ)さん達が作ってくださった防具を着て戦っているだけなんで、たいしたことはしていませんよ。」


「それが、いい宣伝になっているみたいなんだがら、うちとしては有り難い限りだよ。」


「いえいえ、こちらこそタダで提供していただいて、感謝しています。」


父と穂積さんが謙遜し合っていたところ、


「ねぇ、おじさん!」

「私も欲しいんだけど、頼める?」

「クレリック用の装備品!!」


穂乃歌(ほのか)さんが期待を込めて尋ねたのです。


「ああ、勿論だ。」

「生き返った祝いに、無料でプレゼントしてあげよう。」


微笑んだ父に、


「おおー、ありがとうございます!」


穂乃歌さんが頭を下げます。


そのタイミングで、


「おはよう。」


暁斗(あきと)くんが居間へと入ってきたのです。


「どうしたの??」

「何か用事?」


私が疑問を投げかけたら、


「暁斗と葵月(はづき)は、いつも八時前に、ここに訪れて、夕方の五時まで一緒に働いてくれているんだよ。」

「ちなみに、給料は“日払い”だ。」


父親が教えてくれました。


「へぇー。」


理解を示した私は、〝ハッ〟として、


「今って何時?!」


和室の柱に掛けられている“振り子時計”を確認したのです。


エネミーの登場まで、あと4分ぐらいとなっております。


「やばい!!」

月媛(ひかり)ちゃんに、魔法の使い方を教えとかなきゃ!」


慌てて立ち上がった私は、


「取り敢えず、お庭に行こう!!」


このように促したのでした…。



紗凪(さな)さんたちを含めた計8名で外に出た我々は、[戦闘モード]に変更したのです。


その流れで、月媛ちゃんに、[魔法の杖]を上に向けてもらい、


「ファイア・ボール!」


と、発射してもらいました。


なお、タイムループしたことによって、【魔女】の職種は“LV.8”に戻っています。


「“ファイア・ボール”って、“火の玉”だよね?」


月媛ちゃんに聞かれて、


「うん、そうだよ。」


私が答えたところ、


「……。」


何やら考え始めたのです。


「月媛ちゃん??」


私が声をかけたのと殆ど同じタイミングで、


「火の玉ぁ――ッ!!」


魔法を空へと飛ばしました。


「え!?」

「日本語にも対応してるの?」


目を丸くした私の側で、


「へぇー、これは新発見だね。」

「子供は頭が柔らかいから、〝ならでは〟ってとこかな。」


感心した真守(まもる)さんが、


「けど、まぁ、“閃光”や“恩恵”とかは、国によって呼び方が異なるだろうし…。」

「いや、“神官”と“巫女”は、日本にしか存在していないのかな??」

「あ、でも、“シャーマン”がいるかも?」


といった具合に分析しています。


なにはともあれ。


(母国語がOKなんだったら、先に報せておいてほしかったんですけど。)

(“エクスプロージョン”あたりは、何度か途中で噛んだ事あるし。)

(“爆発”って言えてたら、どんだけ(らく)だったことか。)


世界規模のデスゲームを開催した神だか魔王だか科学者だかのずさん(・・・)さに、改めて呆れる私でした―。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ