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JK LOOPER  作者: ネコのうた
3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
170/317

170.魔女の譲受人

経緯をザックリと説明した私は、家族に現在の職種をチェックしてもらったものの、各自、変化はありませんでした。


このため、手分けして親戚に連絡したのです。


再びループした件と、ジョブを継承した人がいるだろうから調べてもらうために…。



1~2分後に[テレポーテーション]してきたのは、壱紀(かずき)くんの所のファミリーです。


父の妹(次女)さん一家が、畳に座りました。


〝ふぅ――〟と息を吐き、


月媛(ひかり)だったよ。」

「継いだのは。」


口を開いたのは、婿養子たる叔父さんであります。


「じゃあ、いっしょに、ぼうけん出来るね♪」


琴音(ことね)が嬉しそうにするも、


「いや、月媛は、まだ幼いし……、なぁ。」


深刻そうな叔父さんが、奥さんに目配せしたのです。


「そうね。」

「さすがに危なすぎるわ。」


同意した次女さんに、


「つまり…、〝参加させない〟っていうこと??」


息子である壱紀くんが問いかけました。


「ああ。」


叔父さんが首を縦に振り、


「仕方ないでしょ。」


叔母さんが困り顔になります。


それらに対して、


「いーやーだーッ!」

「あたしも行きたいぃーッ!!」


月媛ちゃんが駄々をこねたのです。


この光景に、祖父母が、


「いいじゃないか。」

「琴音だって、一つしか変わらない年齢で、立派に努めているみたいだし。」


「そのとおりよ。」

「それに…、〝可愛い子には旅をさせよ〟って言うじゃない。」

「きっと、月媛の成長にも繋がるわ。」


そう意見してくれました。


しかしながら、


「けど……。」


次女さんは釈然としておりません。


どちらかといえば“甘えんぼ”な月媛ちゃんを、心配しているのでしょう。


「せめて、君らが一緒であれば、いくらか安心できるんだが…。」


叔父さんが述べつつ、神澤(かんざわ)さん&神岳(かみおか)さん四人組に視線を送ります。


「いえ、我々は、この町を護る活動に専念していきたいので、すみませんが、無理です。」


穂積(ほづみ)さんが断ったところ、誰もが残念そうにしました。


「あ、でも、紗凪(さな)さん達と同じくらいの世代で、割と強い人たちと、旅して回る予定だから、そこまで問題ないと思う。」


私の話しによって、


「そうなの?」

「だったら、大丈夫かしら。」


叔母さんが前向きになります。


「あまりにも危険そうなときには、“転移の宝玉”で、ここに撤退してくるつもりだし。」


更に私が告げてみたら、腕を組んで〝うぅ~ん〟と考え込んだ叔父さんが、


「まぁ、〝無茶はしない〟と約束してくれるなら、許可するか。」


半ば諦めた様子で承諾してくださったのです。


これに対して、


「いいの?!」


月媛ちゃんが瞳を輝かせます。


軽く頷いた叔父さんが、


「壱紀、月媛のこと頼んだぞ。」


真顔で伝えました。


それを受けて、


「勿論。」


壱紀くんが真摯に答えたのです。


この流れで立ち上がった琴音と月媛ちゃんが、向き合って両手を握り、


「良かったね!」


「うん!!」


〝ぴょん ぴょん〟飛び跳ねて喜びを表したのでした―。




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