表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JK LOOPER  作者: ネコのうた
1st STAGE/ループには回数制限があるようです。
17/317

17.反省

【武闘家】であるロングヘアーの神澤紗凪(かんざわさな)さんによれば、湧いて出てきた人外どもを倒した後に、ご近所さん達に声を掛けて、“戦闘職”になっていた方々と自警団を設けたそうです。


神岳穂乃歌(かみおかほのか)さんのような“ヒーラー系”の面子が、辺りの家屋に結界を張ったので、「自宅に“一般職”の親兄弟を残しても安全だろう」との考えで一致し、戦える人たちがチーム分けして、四方八方をパトロールしているとの事でした。


主な活動内容は、敵の排除と、生存者を確認したら自宅まで送り届けてあげたり、お家に結界を施すことだそうです。


身内の事しか頭になかった私に比べて、大人の考えである皆さんに感服させられます。


話しを聞いていた男性警察官が、


「被害状況は分かるかい?」


と、尋ねました。


「3~4割は、もう…。」


ショートボブの【クレリック】である穂乃歌さんが首を横に振ります。


【アサシン】であるソフトモヒカンの神岳穂積(かみおかほづみ)さんが、


「俺の“探知”がもっと高性能だったら…。」


と苦々しそうにしました。


「しょうがないよ、まだ“初期”の段階だろうからね。」

「救えた命に注目しようよ。」


そう慰めたのは、ショートヘアーの【魔法使い】である神澤真守(かんざわまもる)さんです。


穂積さんの“探知”は、★が一つしかないため、半径10Mちょっと内の

生命体しかキャッチできないとの事でした。


それでも、LV.1だった時は半径11Mだった範囲が、LV.2で半径12Mとなり、LV.3になっている今では半径13M迄は反応を掴めるようになったそうです。


ただし、それが人間なのか否かまでは判断できないとも教えてくれました。


また、真守さんの“魔法の玉”も、最初は直径11㎝だったものの、LV.3の現在では直径13㎝になっているそうです。


〝微妙〟といった感じは否めませんが。


「やっぱり、いろんな種類のモンスターが居るの?」


質問した婦人警官に、紗凪さんが、


「ええ。」


と、頷きます。


男性警察の、


「厄介だな。」


との呟きに、穂積さんが、


「一番危険なのは、暴徒と化した人間かもしれない。」

「今のところは、まだ、そういのを見かけていませんが、これからは予測が付かなくなっていくかも…。」

「特に“戦闘職”は〝特別な力を得た〟と思って、“一般職”を相手に略奪とかを始める可能性があるでしょう。」


と述べました。


「確かに…、“選民思想”みたいになってしまう奴もいるだろうしな。」


お巡りさんの言葉に、私は〝ハッ!〟とさせられます。


何故なら、こんな世の中になったことに対して恐怖や不安を抱くと同時に、親族で唯一私だけが戦えることへの優越感や自己陶酔があって、それらが入り混じり、変なテンションになっていた事に気付かされたからです。


所謂“ナチュラルハイ”みたいな。


神を名乗っている連中のことを「厨二」だの「末期」だのと(けな)しはましたが、私も大差ありません。


まるでテレビやパソコンにスマホなどのゲームをプレイするかのように、人外とのバトルを嬉々としていた部分もあるのですから。


お恥ずかしい限りです。


ここらで冷静になり、これまでを深く自省して、完全なる“テンプレやれやれイキリ系”になってしまわないように、注意しましょう。


脱線しがちな私には難しいかもしれませんが。


そんなふうに己を戒めていたところ、パトカーや救急車が到着したのでした―。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ