169.再びのリターンです。
「そういう事なら了解だ。」
「別の蘇生術士に関する件を、よろしくな。」
団長さんに声を掛けられ、
「あ!」
目を丸くした私に、
「どうしたの?? 琴晴りん。」
ミサさんが窺ってきます。
「……、ループしたみたいです。」
私が答えたところ、
「そうなの?!」
壱紀くんが反応を示したのです。
頷いた私は、
「なので、一度、お家に帰ろうと思います。」
「おそらく親族の誰かしらが私のジョブを継いだ筈なので、それに関して相手にレクチャーしたいのと…。」
「今の私は“踊り子”になっているでしょうから、新たな戦闘職を選びたいので。」
「このままではバトルの役に立ちませんし。」
皆さんに、こう告げました。
現在、私たちは、京都のホテルの出入口あたりに居ます。
どうやら、光沖さんによる[神里町自警団]への加入を断った後のようです。
「ふむ。」
「そこからは、どうするつもりなんだい?」
「こっちに合流するのであれば、それまで待っておこうか??」
そのように提案してくださった勇者さんに、
「そうですね……。」
「“新・京都見廻組”の方々と話しをする10時までには戻りたいところですが…、無理そうであれば、パフェが有名な珈琲屋さんの三条本店に向かいます。」
「“転移の宝玉”で。」
と、返しつつ、
「詳しい事は落ち着いてから説明しますが……、取り敢えず〝貨物船で渡航できる手段〟をスマホで検索してみてください。」
【機工士】のユウジさんに伝えたところ、
「ん?」
「ああ、分かった。」
一応に了解してくださいました。
「そういうことで…、今回も紗凪さん達に協力してもらいたいのですが……。」
「主に、私のレベル上げを。」
こうお願いしてみたら、
「ええ、勿論いいわよ。」
快く承諾してくださったのです。
「じゃあ、俺たちも“最神さん家”に行くとするか。」
「穂乃歌の件を報告したいし…。」
穂積さんが意見したところ、
「だったら、俺は、自分の家に直帰するとしよう。」
そのように述べた団長さんが、パーティーから脱退しました。
かくして、我々は、アケミさん並びにヒデさんのグループに挨拶して、地元へと[テレポート]したのです。
時刻はAM07:45頃でした…。
「ただいまー。」
「おっじゃましまーす!」
私達が玄関で靴を脱ごうとしていたら、台所から出てきた母が、
「あら!?」
「穂乃歌ちゃん??!」
驚いた表情になるも、
「生き返ったのね!!」
すぐに笑顔になったのです。
「すみません。」
「いろいろと、お騒がせしたみたいで。」
お辞儀した穂乃歌さんに、
「いいのよぉ~。」
「私とかは、なぁーんにもやってあげられていないんだから、気にしないでぇ。」
母親が〝ニコニコ〟しております。
これらが聞こえたらしく、
「おぉー、本当に蘇ったんだな。」
父と、
「つーか、姉ちゃんたちが戻って来たって事は、ひょっとして、また、タイムループしたのか??」
弟が、居間から足を運んできたのです。
利勇の質問を受けて、
「うん、そういうことだから……、改めて会議を開くよ!」
そう宣言する私でした―。