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JK LOOPER  作者: ネコのうた
3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
168/317

168.大阪城奪還戦②

昔のインドだか中国だかの甲冑姿であり、背丈は2Mといったところで、それぞれに剣・槍・(ほこ)・薙刀・戦斧(バトルアックス)・弓を装備している“仏の集団”と、乱闘になっていきます。


敵の数は35体といったところで、こちらは合計29人です。


琴音(ことね)や、カズヒコさんに、“虎超乱(こちょうらん)”の巫女さんが、【閃光】と【恩恵】を立て続けに発動しました。


おかげで、戦いは私達の有利になっています。


なかでもアケミさんのパーティーは目覚ましい働きです。


我が妹と、壱紀(かずき)くんも、遜色ありません。


女性の暴走族、[レディース]と言うのらしいですが…、その方々は私と同じくらいの強さみたいなので、LV.9前後でしょう。


いずれにしろ。


主に、勇者さんグループと、我が親族たちによって、エネミーは殲滅されました。


男性のみのチームである“強虎嵐武(きょうこらんぶ)”の40名も、敵を倒しきっています。


余談かもしれませんが、あちらの仏も35数だったようです……。



私達は、北へと歩き、[極楽橋]に到着しました。


“黒髪セミロングソバージュの男性”が、


「“京橋口”の連中は、まだみたいやな。」

「手こずっとんのか?」


軽く首を傾げます。


「どないするん??」

「合流して来んの、待つ?」


ライトブラウン(茶髪)ロングパーマの女性”が尋ねたら、


「んんー、……、ま、東京の人らもおるし、このまま進んでも大丈夫やろ。」


金髪リーゼントさんが、このように判断したのです。


その意見に、


「うむ!」

「ボクたちが協力すれば、なんとかなるだろう。」

「だから、ドーンと、いこう!!」


アケミさんが賛成した事によって、我々だけで[本丸]へと向かったのでした…。



あと少しで[天守]に差し掛かろうかという所で、建物の反対側から80数の仏が走ってきたのです。


足を止めた全員が構える流れで、【神官】と【巫女】らが再びスキルを施します。


「返り討ちにしたらぁあッ!」


金髪リーゼントさんを先頭に、接近戦を得意とする“近距離型”の人々が突撃していきました。


私のような[魔法職]と、【機工士】に【弓使い】は、後方支援です。


敵の“長距離型”も仲間を援護しています。


こちらの優位に勝利を確信するなかで、上空から〝ヒュゥ――――ッ!!〟という風を切る音が聞こえてきたのです。


(ん??)


そちらを〝フ〟と見た私の目に映ったのは、6Mはあろうかという仏でした。


しかも、顔が三つあります。


他の仏達みたいな鎧兜を装備していますが、全体的に黒色です。


この人外は、天衣(てんえ)を着けており、[巨大な両口ハンマー]の“長い柄”を両手で握りしめていました。


そんな仏が、かなりの速度で降りてきます。


「あかん!」

「逃げぇい!!」


神官である黒髪ソバージュさんが前方へと声をかけるも、まさかの状況に多くの人たちが唖然として動けずにいました。


ここ(・・)に、スピードにのっている敵が、直径2Mはありそうなハンマーの片面を、


ズドォオンッ!!!!!


勢いよく叩き付けたのです。


その結果、地面の四方八方に大小さまざまな亀裂が生じました。


また、ハンマーの下敷きとなって、残念ながら絶命してしまった方々もいるみたいです。


おそらく、レベルが低めの人々は衝撃に耐えきれず、助からなかったのでしょう。


誰もが(いま)だ驚いているなか、


「コイツめっ!」


ご自身の剣に幅10㎝の“白雷(びゃくらい)”を纏わせた勇者さんが、必殺技である【ストラッシュ】を、宙に浮いている6M級の仏に対して放とうとします。


しかし、これよりも早く、敵は“正面の顔”の両目から紫色の【ビーム】を発射したのです。


その一つが、アケミさんの喉を貫通しました。


もう一本は、勇者さんの右側に居たサトシさんの左鎖骨にヒットしたようです。


「がはッ!!」


口から血を吐いたアケミさんが、うつ伏せで倒れていきます。


「このッ!」


敵の左側面に、直径25㎝の【光の玉】を当てたのは、琴音です。


これに反応した仏が、妹へと飛来しつつ、向かって左にハンマーを振り被りました。


「せん光!!」


琴音によって“正面の顔”が目を(つぶ)ったものの、構わず突進してくるではありませんか。


どうやら“左右の顔”は平気だったみたいなので、それらで周囲を把握しているのでしょう。


「え?!」


妹は理解できていないらしく、固まってしまいました。


「危ない!!」


咄嗟にダッシュした私は、左の(てのひら)で、琴音の背中を押したのです。


バランスを崩しながらも、私へと視線を送った琴音が、


「お姉ちゃん!」


左手を伸ばしてきます。


我ら姉妹と敵を挟んだ右斜め前からは、壱紀くんが慌てた様子で駆けてきていました。


ですが、これらは間に合いそうになく、左からハンマーが迫るなか、私は、死を覚悟したのです―。




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