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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
160/326

160.目処

「そういえば…、貴女がた三人は、蘇生術士さんを復活させるため、海外に渡航できないかリサーチしていく予定でしたね。」


【神官】たるカズヒコさんの発言によって、


「ほんまですか?」


黒髪ボブのナガハマさんが、私に確認してきました。


「ええ。」

「……、可能性は低いかもしれませんが、出来るだけの事はやってみようと思います。」


このように述べたら、


「そもそも当てはあるのかい??」


勇者さんに訊かれたので、


「いいえ。」


首を横に振った私は、


「現時点では何も。」


そう答えたのです。


「飛行機かフェリーを利用できればいいんだけど…。」


壱紀(かずき)くんが呟いたところ、


「無理だろうね。」

「空港は閉鎖されているし……、海とかにもエネミーが出現する所為で船もまた運航していないみたいだから。」


【機工士】のユウジさんが説明しました。


「そうなんですか?」


私の質問に、


「ああ。」

「他には、湖にも現れやがる。」

「“半魚人”などの水陸両用と、天使や鴉天狗に“セイレーン”とかいう空を飛べる連中がな。」

「結果、全国各地のフェリーも休業中だ。」


【侍】たるジュンヤさんが教えてくださったのです。


「それじゃあ“八方塞がり”ですね。」

「どうしましょ??」


頭の片隅では〝おそらく厳しいだろう〟と理解してはいたものの、心の何処かで〝なんとかなるんじゃないか〟と希望を抱いていた私は、半ば愕然としました。


皆さんも妙案が浮かばないらしく、黙りこくっております。


このような状況にて、私のスマホが鳴ったのです。


画面を見てみたら、母からの着信が表示されていました。


「すみません。」

「ちょっと席を外します。」


断りを入れた私は、〝スタスタ〟とロビーの片隅へ向かいつつ、


「もしもし?」


電話に出たのです。


『あ、琴晴(ことは)ちゃん??』

『今、いいかしら?』


「うん。」

「何かあったの??」


『お手紙が届いてるんだけど、どうしようかしら?』

『一度こっちに帰ってきてみる??』


「!!」

「もしかして、いつも(・・・)の?」


『多分…。』


「代わりに読んでもらえないかな??」


『いいわよ。』

『ちょっと待ってね。』

『…………。』

『もしもし?』

『読むわよ。』


「うん、よろしく。」


『えぇーっと……、〝九州は宮崎を目指すが良い〟〝それでは健闘を祈る〟って、書いてあるけど??』


「宮崎…。」


『ねぇ、琴晴ちゃん。』


「ん?」


『一時間ぐらい前に、穂乃歌(ほのか)ちゃん達4人が挨拶に来たわよ。』

『〝お陰で生き返りました〟って。』

『その時に話しは聞いたけど……、“蘇生術士”とかいう人の問題を解決しないといけないんでしょ??』

『大丈夫なの? 3人だけで。』


「うーん…。」

「まぁ、やってみるよ。」


『……、そう。』

『じゃあ、応援するわ。』

『ところで…、琴音(ことね)ちゃんは元気??』


「私よりも。」


『はははははッ!』

『なんだか想像がつくわね。』


「あの……、いろんな人を持たせているから、そろそろいいかな?」


『そうなの??』

『分かった…。』

『カズくんとも仲良くやっていきなさいよ。』

『それと……、とにかく気を付けてね。』


「うん。」

「ありがと。」

「そのうち帰るから、またね。」


『はーい。』


やりとりを終えて電話を切った私は、皆さんの元に足を運びながら〝どうしたものかしらん?〟と悩んでおります。


妹&従兄妹は手紙の存在(・・・・・)を知っているので構いませんが、それ以外の人々への伝え方が難しい今日この頃です。


私の心配を余所(よそ)に、


「お、戻ってきたな。」

「朗報があるぞ♪」


〝ニッ〟と口許を緩めるアケミさんでした―。




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