表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JK LOOPER  作者: ネコのうた
1st STAGE/ループには回数制限があるようです。
16/317

16.自警団

ゆっくり歩くソフトモヒカンさんが、


「まずは、この家だな。」


と、指差します。


玄関の呼び鈴(チャイム)を鳴らしたロングヘアーさんを筆頭に、


「すみませーん。」


「誰か居ませんかー?」


みたいな感じで、皆さんが声を掛けました。


チェーンを外さないままでドアを開けた30歳くらいの男性が、


「敵ではないよな?」

「だったら殺すが…。」


血走った眼で睨み付けてきます。


「違いますよぉ。」

「そちらの安全の為に結界を張りに来た者でぇす。」


と述べたショートボブさんに、警戒と緊張とを漂わせている相手が訝しがりました。


〝意味が分からない〟といった様子の男性に、“攻撃魔法”を扱っていたショートヘアーさんが、


「俺たちは“自警団”です。」


と、告げたのです。


そこからは、黒髪ロングさんも加わって、何やら説明していました。


〝あくまで善意である〟〝お金を貰ったりはしない〟〝近くに警察がいるから連れて来てもいい〟といった具合です。


「……信用しよう。」

「お願いしても?」


そう窺ってきた男性に、


「はい!お任せを!!」


笑顔になったボブの“クレリック”さんが【結界】を発動したのでした。



お巡りさん達から離れ過ぎない距離にて、別のお宅にも訪問し、結界を張りました。


こちらは私が担当する事になったのです。


それ以外の家々も探ったモヒカンさんが首を横に振ります。


軽く溜息を()いて、


「これだけしか残っていなかったか…。」

「仕方ない、戻ろう。」


と促したロングヘアーさんに従い、全員で警官が待機している場所を目指したのです。



「そういえば、紹介が未だだったわね。」

「私は、神沢紗凪(かんざわさな)、こっちが弟の…」


黒髪ロングさんに続いて、


真守(まもる)。」


攻撃魔法を使っていた男性が名乗りました。


「私はねぇ、神岳穂乃歌(かみおかほのか)で、こっちは…」


「兄の穂積(ほづみ)だ。」


こちらの人たちは、ショートボブさんと、ソフトモヒカンさんです。


てっきり二組のカップルかと思っていたら、〝お隣さんで幼馴染〟との事でした。


24歳の会社員である穂積さんは【アサシン】となり、21歳で大学生の紗凪さんは【武闘家】に、19歳の専門学生である真守さんは【魔法使い】になっていたそうです。


ちなみに、【クレリック】の穂乃歌さんも大学生であり、紗凪さんとは同い年であるとの情報でした。


「私は、最神琴晴(もがみことは)と申しまして…、高校生です。」


と、返したところ、


「それじゃあ、“琴晴ちゃん”って呼んでいい?」


人懐っこいタイプの穂乃歌さんが聞いてきたので、「はい、構いません」と頷きます。


紗凪さんの、


「ところで…、なんで琴晴ちゃんは一人で街をウロついていたの?」


との素朴な質問に、親戚宅を回って結界を張っていく旨を伝えました。


「だったら俺達も付き添おう。」

(ひがし)方面の一部は担当区域だからな。」


穂積さんの提案に、真守さんが、


「そうだね、“戦闘職”とは言え女子高生一人じゃ危険だろうし、これも自警団の務めだしね。」


と同意します。


「あの…、自警団、とは?」


首を傾げる私に、紗凪さんが、


「うちの近所で、戦える人たちと旗揚げした即席のチームだよ。」


と、語りだしたのです―。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ